グランドスラマー新田祐が主役
今年はビッグレースの決勝では、まだ結果が出ていない新田祐大ながら、G3では1月立川記念、4月高知記念で優勝していて2V。4月小田原記念、5月函館記念、6月久留米記念はいずれも準Vと好成績を残している。今シリーズの北日本勢は守澤太志、小松崎大地、内藤宣彦と戦力が整っているし、当所はワールドクラスのスピードを誇る新田向きのバンクだ。16年に高松宮記念杯、19年にはオールスターを制している。優勝に最も近い存在とみた。ダービーの準決で落車した後は、欠場が続いていた守澤は、高松宮記念杯から復帰を果たした。結果は着。準決は先行した新山響の番手回りの好展開も伸びを欠いた。本調子と言えるような状態ではなかったが、この開催までには良化が見込めるはず。勝機が巡ってくればきっちりものにしよう。小松崎は調子上向き。一息不足の場所が続いたときもあったが、高松宮記念杯着の動きは力強かったし、6月前橋記念1着では先行で3勝をあげている。
今年の前期は落車が多かった平原康多は、なかなかリズムに乗れずにいる。優勝どころか、まだ決勝では確定板入りがなく、勝率27・7%は昨年の50・6%を大きく下回っている。不本意な成績に終っただけに、後半戦から調子を上げていきたいところだ。連係実績がある坂井洋との連係から勝機を見い出す。武藤龍生が平原に続き関東ラインを形成する。
地元地区の中部勢は山口拳矢に期待がかかる。ダービーの決勝では、単騎の不利を克服して初タイトルを手中に修めた。その後はやや動きが重く、高松宮記念杯では西一次予選2で2着失格を喫するなど流れが良くなかったが、7月向日町は❶着。決勝は南潤の逃げを上がり10秒7の超速まくりで仕留めていて、ようやく上向いてきた感がある。持ち味の自在戦が奏功すれば首位に躍り出ても不思議ではない。
自力攻撃に一段と磨きがかかった印象がある嘉永泰斗の単にも魅力を感じる。5月函館記念1着は新田、犬伏湧らの強豪をまくりで撃破し今年3V目をゲットすると、高松宮記念杯着は優参成らずも力強い走りを披露している。航続距離が伸びて仕掛けが早くなり、迫力を増した。中本匠栄、伊藤旭ら熊本勢はそろっているのでラインも強固。タイミングよく仕掛けて主導権を握れば好勝負に持ち込める。
69周年大会の覇者である渡邉雄太にも食指が動く。ダービー着の3走目は松浦悠、嘉永、浅井康らの健脚をまとめて破っているし、6月向日町では今年初Vをものにしている。直近4カ月の勝率は4割に迫る勢い。仕掛けがツボにはまったときの一発には注意したい。岡村潤が渡邉に続く。伸びが今ひとつのときもあったが、最近は差し脚が戻ってきている。