脇本雄が地元記念Vに邁進
2月奈良記念の2日目から急性腰痛症により欠場した後の脇本雄太は、体調の維持に苦心している。ベストでの参戦は難しい状態ではあるが、ビッグレースはすべて決勝に乗っているし、4月武雄記念では、4連勝で今年の3V目をゲットした。着外が僅か5回しかなかった昨年に比べると、最近は大きな数字も散見するものの、上がりタイム10秒台の超速まくりで、別線の猛抵抗をねじ伏せている豪脚が、輪界トップであることに異論を唱える者はあるまい。もちろん地元記念では圧倒的な存在感を示していて、64、65、67、68、70周年大会の5Vを達成している。異次元のスピードを遺憾なく発揮して6V目を飾り、地元ファンの声援に応える。今年は全日本選抜、高松宮記念杯と早くもG1で2Vを飾っている古性優作。いずれも脇本の先行に乗っての優勝なので、古性は脇本にとって最強の味方であり、最大の敵とも言えよう。6月前橋記念の決勝は、単騎ながら好位をキープすると、的確なコース選択から差し脚を伸ばしてVをゲットした。厳しい体調でも結果を出す精神力は並ではない。ここも逆転十分だろう。
今年はまだ優勝には手が届いていない佐藤慎太郎だが、ダービーは決勝3着、高松宮記念杯では❷着とオール連対の準V。ベテランならではの安定プレーを演じていて、成績を高いレベルでまとめている。渡邉一成とは高松宮記念杯の東一次予選2で連係していて、上がり11秒1の快速まくりを決めた渡邉を佐藤が差して福島ワンツー。渡邉は6月前橋記念1着と3連対を果たすなど、相変わらず動きがいい。佐々木雄一も控えており、福島勢の動向には注意したい。
ダービー❷着。ゴールデンレーサー賞にコマを進めての準Vと気を吐いた清水裕友。その後は積極的に攻めているものの、結果につながっていない感がある。ただ、底力はあるので、うまくレースの流れに乗って自力を出せれば一発怖い。
松井宏佑、和田真久留、福田知也とそろった神奈川勢。中でも松井は自力攻撃が冴え渡っている。富山全プロ記念で連勝すると、高松宮記念杯では、20年の競輪祭以来となるG1優参を果たした。更に6月松戸、7月名古屋と連続で完全優勝。自慢の快速で脇本に猛抵抗しよう。和田は名古屋の初日特選で松井とワンツーを決めたばかりだ。
九州勢も山田庸平、北津留翼、吉本卓仁と戦力に不足はない。今年の山田は3月松山記念を含み3V、ビッグレースではウィナーズカップ、高松宮記念杯で決勝に進出していて順調だ。北津留は高松宮記念杯で落車に見舞われたものの、6月久留米記念着の動きは悪くなく、体調に問題はない。脇本と真っ向勝負では分が悪いが、混戦になれば上位進出も。