• 福井競輪場開設73周年記念不死鳥杯7/22〜7/25

後記 GⅢ 福井 07/22

底力を見せてまくりV

古性優作

古性優作

決勝優勝写真
決勝優勝写真
決勝優勝写真

 苦しいなかで結果につなげた今年4度目のグレード優勝だった。前々回の前橋記念では、2日目以降から修正を施して3連勝でのV。しかしながら、それ以上に厳しいシリーズだった。
 「前橋よりもっていう感じですね。うれしくないわけではないけど、また練習するしかない。あれでは上では戦えない」
 シリーズ1走目の落車をおして、地元の高松宮記念杯を連覇。その代償は決して小さくなかった。トレーニングを重ねてもなかなか状態は戻らない古性優作だったが、レースになれば出し惜しみすることはなかった。近畿勢が5人勝ち上がった決勝は、地元の脇本雄太とは別線。その脇本が競り込まれて、思惑通りにはならなかった流れに古性は順応した。
 「できるだけ早めに引いて、(藤井)栄二と力勝負がしたかった。ただ、脇本さんが遅れてくるのが想定外で、自分のプランが崩れた。それでタイミングも遅れた」
 逃げる藤井を目がけて脇本が追い上げるが、河野通孝にさばかれる。脇本を追いかけた古性は、外に浮いて結果的には中国勢後ろの6番手に入った。再度踏み込む脇本に合わせて、最終ホーム手前から清水裕友が仕掛けると、古性は冷静に清水ラインに続いた。
 「脇本さんが番手まで行けたら、その上を思い切り行きたかった。でも、(清水)裕友がいいタイミングで行ったので、その後ろにスイッチした」
 まくり切った清水がスピードに乗せるが、その上を古性が迷うことなくまくり上げる。バックでの柏野智典のブロックも瞬時にすり抜けて、直線の入口で清水をとらえた。古性の番手を奪取していた佐藤慎太郎はからまれ、2車身の差をつけて古性が先頭でゴールした。
 「後ろ(に佐藤がいるの)はまったくわかってなかった。僕も苦しく稲毛(健太)さんの優勝かと思ったけど、いつの間にかゴールだった。展開が向いただけですね」
 清水に合わされた時点で、地元の脇本は万事休す。もう1人の近畿S級S班として、地元地区の牙城を古性が守った。ただ、自身が満足できるシリーズではなかった。
 「感触はヤバかったですね。勝ち上がりの段階でも迷惑を掛けてしまっているし、(決勝の)ダイジェストも見たくない感じです」
 このままでは…。その危機感が古性を奮い立たせる。
 「(次回の)オールスターまでにどこまで立て直せるかわからないけど、練習でしっかり追い込んで、また高みを目指したい。自分のなかで悪い原因はわかっている。ファンのみなさんに選んでもらったオールスターですし、責任感をもって走りたい」
 8月15日からのオールスターは、当然のドリームスタート。自身も納得できる内容で表彰台に立ち、ファンの声援に応えたい。

 単騎の佐藤慎太郎は、打鐘で9番手。3コーナーから内を進出して、古性後位に収まる。そこから古性のまくりに続いて、最終2センターでは柏野の猛ブロックを受けたが2着に入った。
 「(打鐘付近は)イレギュラーな動きで脚をロスしました。けど、うまく(古性の後ろに)いけた。あれで裕友の3番手までいって、(古性に)真後ろからまくられるより、古性のまくりに乗っていった方がチャンスはある。やった方だと思います」

 最終ホーム手前から脇本に合わせてまくった清水裕友は、古性にねじ伏せられたが3着に踏ん張った。
 「脇本さん、河野さんを見てからのレースかなと。そうなったらそこの3番手でと。(最終ホーム手前は)脇本さんを見送っていくより、自分も間合いが取れてたんで合わせて仕掛けた方がいいと思った。(古性とは)底力の違いを感じました。僕は出切って脚にきていたし、抵抗したけど力の差ですね」

Race Playback

レース展開4
 古性優作選手が、まくりで中国勢をとらえて優勝。単騎の佐藤慎太郎選手が、離れながらも古性選手を追って2着。3着に清水裕友選手。

レース経過

誘導員 : 清水剛志

 スタートは大外枠ながら稲毛健太が取った。初手は古性優作-稲毛、佐藤慎太郎、清水裕友-柏野智典、藤井栄二-脇本雄太-鷲田幸司で、藤井の後ろは脇本と河野が内外入れ替わりながら取り合う。 赤板で清水-柏野が上昇し、古性を抑えて前に出ると、さらに藤井が叩き、後ろを取り切った河野が続く。脇本が追い上げると鷲田がやや遅れたため、古性が脇本にスイッチ。逃げた藤井に追い上げた脇本だが、河野にけん制されて外に浮く。古性は柏野の後ろに降りて、内を突いた佐藤が古性に続く。最終ホームは藤井、河野、清水-柏野、古性、佐藤…となり、脇本は清水の外で厳しい態勢に。清水は脇本をどかすと、そのまままくって出て、1センターで清水が先頭に躍り出た。清水-柏野を追っていた古性がバックでスパート。古性は柏野にブロックされたが、じわじわと清水に迫り、最終4コーナーを立ち直ったところで先頭に立った。古性は後続を寄せ付けずVをゲット。佐藤は2センターで柏野のけん制を受けたが、離されながらも古性を追って2着。3着は柏野を8分の1輪抑えた清水が入った。

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