熾烈を極めるV争い
オールスター❶着。決勝は4車で結束した関東ラインの番手を活かし、タイトルホルダーの仲間入りを果たした眞杉匠。完全に自力でつかんだ優勝とは言えないものの、古性優、犬伏湧也、清水裕友らの強豪を相手に、2着以下に3車身の差をつけての圧勝劇を演じたのは実力の証だろう。今シリーズの関東勢はSS班の平原康多を筆頭に佐々木悠葵、鈴木竜士、森田優弥ら充実のラインナップ。いい流れが来ている眞杉が、ラインの厚みを活かして主役を務める。今年は落車が多く、なかなかリズムに乗れない平原康多ながらサマーナイト、オールスターとビッグレースで続けて決勝に乗って底力を示した。オールスターの決勝で伸びを欠いたのは、まくり上げてきた清水と眞杉の後ろで激しく競り合ったためであり、致し方あるまい。当所記念は62、66、69周年大会を制している実績もある。首位に躍り出る場面も大いにあろう。地元の鈴木は7月当所で3連勝、8月京王閣G3では❸着など、ようやく長いトンネルから抜け出した感がある。好位置占めれば連に浮上してきそうだ。5月宇都宮記念、6月前橋記念はいずれも準V、サマーナイトでは決勝進出と好走が続いていた佐々木だが、8月青森の決勝で落車してオールスターを欠場。体調には一抹の不安が残る。
新山響平、守澤太志と2名のSS班を擁する北日本勢。渡部幸訓、大森慶一ら実力者の追い込み型も控えているので、新山の援護陣は充実している。オールスターは準決で敗退し、G1で3連続優参は成らなかった新山ながら、一次予選2は上がり11秒1の好タイムで逃げ切り勝ち。快速先行の破壊力には素晴らしいものがある。ここは手ごわい自力型がそろっているが、主導権さえ握れば好勝負に持ち込める。
オールスター❻着では、圧巻のスピードを披露した犬伏の単にも魅力を感じる。準決は古性、山口拳、山田庸らの強豪を相手に逃げ切り勝ちを演じた。自慢のスピードには一段と磨きがかかり、航続距離も伸びている。タイミングよく仕掛けられれば押し切りも。オールスターの決勝は、犬伏、松本貴の四国勢と別線で勝負した清水だが、犬伏との連係が叶うようなら前を任せよう。この大会は67、68周年を連覇していて相性がいい。犬伏が先手を奪えば大会3V目をゲットしても不思議ではない。
本業の競輪は出走回数が少ない山崎賢人。オールスターは今年5場所目だったが、結果は着。惜しくも決勝は外したものの、連日快速を発揮していた。仕掛けがツボにはまると一発怖い。
8月富山記念で1❷着と気を吐いた北井佑季も忘れてはならない。オールスターは着。一次予選1の大敗が響いて上位進出を逃がしたが、動きは悪くなかった。