深谷知が地元Vにまい進
今年の深谷知広は1月大宮記念で優勝と好スタートを決めると、8月松戸記念、共同通信社杯を連覇。F1戦の優勝は5回もあるように、年間を通してコンスタントな成績を残している。現在の獲得賞金ランキングは第7位で、17年以来となるグランプリ出場に向けて視界は良好だ。自分で戦っても十分に優勝は狙える状態にあるが、同県の渡邉雄太、快速誇る松井宏佑らの動きに乗れるようなら、展開の利を得られる可能性も高まる。現に共同通信社杯の決勝では、積極的な走りを披露した渡邉を目標から優勝をものにしている。出走なら65周年大会以来となる当所記念2V目を達成するとみて中心視した。その渡邉も好調を維持している。寬仁親王牌では一次予選で敗退も2日目に1勝をあげると、10月静岡では地元Vをゲット。この大会は68周年を制した実績もある。松井はオールスターで落車し、約2カ月実戦から離れたが、復帰後は順調に調子を戻している。寬仁親王牌着は、特選スタートの利を生かせず二次予選Bで上位進出の権利を逸したものの、最終日は新山響平、寺崎浩平らを撃破した。ラインの先頭を任されれば強気に攻める。
今年はスピードを活かした自力攻撃に一段と磨きがかかった犬伏湧也を重視する手もある。ダービーでG1初優参を果たすと、オールスター、寬仁親王牌でも決勝に進出。ビッグレースで自慢の快速を猛アピールしているだけに、G3なら主役を演じても不思議ではない。主導権さえ握れば好勝負に持ち込める。レース巧者の岩津裕介が犬伏に続き中四国ラインを形成か。寬仁親王牌で着と2連対を果たすと、その後も11月松阪❷着、同月京王閣❶着と差し脚快調だ。
新山はSS班の意地を見せたい。今年はまだ優勝には手が届いていないものの、共同通信社杯は準V、10月熊本記念in久留米では3連勝で優参している。ジャン発進は常識のスケールの大きな競走で奮戦中。獲得賞金ランキングはグランプリ出場ボーダーの第9位。先行基本でこの位置に付けているのは地力がある証だろう。こちらも出走ならいつも通りの積極策でVを睨む。
寺崎、南修二、山田久徳とそろった近畿勢も侮れない。競技で活躍してきた寺崎は、ワールドクラスのスピードの持ち主。本業の競輪でも快速を発揮していて、オールスター、共同通信社杯ではそれぞれ2勝、寬仁親王牌は準決4着。惜しくも2分の1輪差で決勝を逃がしたが、スピードは光っていた。援護陣がしっかりしているので、好機に仕掛けてレースを掌握すれば、近畿勢から優勝者が出る場面も考えられる。
関東の上位に自力型が手薄なので、平原康多は厳しい戦いを強いられそう。10月京王閣記念、11月四日市記念と続けて決勝を外していて、調子も今ひとつの感がある。