GPチャンプ松浦悠を信頼
昨年は初めてグランプリチャンプに輝き、賞金王の称号を得た松浦悠士。安定感には素晴らしいものがあり、連の軸として最も信頼性が高いとみて本命視した。今年は1月大宮記念を病欠し、同月川崎記念からのスタートとなったが、成績は❸着。勝ち星こそなかったものの、4日間確定板入りを果たしていて、安定感の高さは相変わらずだ。同県の町田太我はもちろん、スピード際立つ犬伏湧也などラインの自力型もそろっていて、展開の味方を得られる可能性も高い。この大会は69、70周年を連覇しており相性もいい。昨年9月に豊橋記念で逃げ切りVを飾った後は、優勝には手が届いていない町田ながら、直近4カ月の連対率は7割超。持ち味の豪快な先行で別線を沈黙させている。松浦に前を任されれば強気に攻める。昨年はダービー、オールスター、寬仁親王牌とG1で3回優参を果たし、飛躍を遂げた犬伏湧也。今年はまだF1戦しか走っていないが、1月佐世保❷着、同月久留米は3連勝していて、連は外していない。自慢のスピードを遺憾なく発揮して主導権を握れば、好勝負に持ち込んでも不思議ではない。
新田祐大、佐藤慎太郎の福島コンビも互角の戦い。今年はSS班を明け渡した新田だが、1月平記念は❶着とオール確定板入り。決勝は新山響の逃げを利して地元記念初Vを飾っていて、最近の調子に問題はない。北日本の自力型が手薄のここは、前で戦うレースが多くなるか。位置取りも視野に入れた総力戦でVを狙う。佐藤は珍しく1月は和歌山記念、川崎記念と続けて決勝を外したが、地元の平記念はきっちり優参に成功。年齢を感じさせない機敏な立ち回りと鋭い差し脚に陰りは見られない。
昨年はタイトルホルダーの仲間入りを果たした山口拳矢だが、オールスターで落車した後は、一息不足の場所が続いている。中部勢はラインの総合力でも劣勢だが、単騎戦でダービーを制しているので、これはマイナス材料にはなるまい。切れ味が戻れば怖い存在となろう。
一発の魅力を秘めているのは北津留翼だ。1月大宮記念3着では軽快な走りを披露していたし、同月小倉も連勝で決勝に乗っている。展開がもつれるようなら、豪快な一撃が飛び出す場面もありそう。連係実績が豊富な園田匠が北津留とタッグを組む。1月小倉の準決は、快速まくりを決めた北津留に食い下がって2着。福岡ワンツーを決めたばかりだ。
攻め口多彩な吉田拓矢も忘れてはならない。今年は初戦の1月平塚で2❶着(4日制)と好スタートを決めると、同月平記念は2着。準決は目標が不発に終ったが、どん尻から直線だけで3着に2分の1輪まで迫った脚勢は悪くなかった。自在戦を奏功させれば怖い。まだG3ではVがない武藤龍生だが、昨年の獲得賞金ランキングは第23位。吉田次第では浮上してこよう。