ラインの力で篠田幸希
123期の頂点を決める一戦は、昨年の121期と同様にオールA級2班選手によって争われる。前回生もそうなっているように近い将来にS級で活躍する選手も確実に出て来るハイレベルな争いだ。勝つことに価値があるレースと言っても同県同士は組む可能性が高いし、ラインで競走した方がより有利に運べそう。そうなれば、まずは篠田幸希、浮島知稀の群馬勢に目が行く。ともに前評判から高かった選手で、篠田はアマ時代に自転車競技で数々の実績を残し、在所成績も3位で卒業したエリート候補。直前の2月伊東では1・2班戦2V目を3連勝で飾って勢いに乗って臨んでくる。まくりのスピードには特に強烈なものがあるし、年下の浮島に前を任せれば勝機は膨らむ。適性出身で高いポテンシャルを誇る浮島も練習環境に恵まれ上昇一途。2月小松島、別府を連覇し、1・2班戦ですでに3回優勝している。出し切る競走を心掛けているのでここも前で戦う可能性が高いのでは。上越連係で牧田悠生まで群馬コンビに加勢すればラインはさらに強固となる。
岡山コンビは、2月松戸で1・2班戦2V目を飾った青木瑞樹が怖い。松戸の決勝は古屋琢や室井蓮の反撃を合わせ切っての逃げ切りと内容も良かった。山根慶太との前後は流動的でも有力なV候補だ。山根も1・2班戦で準Vが2回あり本領発揮なら侮れないか。
10月京王閣でのルーキーシリーズは単騎戦だった棚瀬義大が優勝していて、その再現も十分考えられる。地脚タイプで2月岐阜のVのように逃げての末の粘りも強靭だが、再び単騎戦なら加速抜群のまくりで一発を狙う。1・2班戦ですでに4Vの実力はダテではない。
在所2位の黒瀬浩太郎も黙っていない。怪我もあって意外と苦労したものの、2月奈良MNで1・2班戦初V。一丸尚を出させず逃げ切ったように123期きっての先行力を誇る。ここは岡山勢と別で単騎だとどう組み立てるか。松崎広太や長松空吾も同様だ。