G1の実績重視なら古性優
上位陣の実力が拮抗していて狙いは絞りにくいが、G1大会の実績なら古性優作が一番だ。一昨年は2冠、昨年はそれを上回る3冠を達成している。今年の全日本選抜は3連覇こそ成らなかったが、準決は1着で危なげなく決勝に乗っている。G1では最高のパフォーマンスを発揮することが多いし、当所は21年のオールスターで、初タイトルを手中に修めたゲンのいいバンクでもある。優勝に最も近い存在とみた。落車負傷や持病である腰痛の影響で、順調さを欠いていた脇本雄太。ウィナーズカップは状態が注目されたが、結果は❶着。久しぶりにビッグレースで主役を演じた。脇本も当所は思い出のあるバンク。18年のオールスターでタイトルホルダーの仲間入りを果たすと、22年にはダービーで優勝している。ダービー3V目をゲットする可能性は大いにあろう。
SS班に復帰を果たした今年は、年頭から快調に飛ばしている清水裕友も有力な優勝候補だ。全日本選抜で準V、ウィナーズカップは決勝3着、記念では2V、準V2回と素晴らしい成績で、連対率は7割に迫る勢い。数的な不利を俊敏な立ち回りで逆転したレースもあり、躍動感は際立っている。ダービー初優勝が十分に期待できる状態だ。盟友の松浦悠士は、ウィナーズカップの準決で落車(担入7着)し、4月は川崎記念、高知記念を欠場した。万全な体調での参戦は難しいと思われるだけに、一走目の動きに注目したい。
強大な戦力を誇る南関勢も好勝負が見込める。今年はSS班を明け渡した郡司浩平ながら、全日本選抜で優勝し、真っ先にグランプリ2024の出場権をゲットした。他にも1月川崎記念など、すでに4Vを飾っている。北井佑季、松井宏佑、深谷知広、岩本俊介ら自力型がそろっているのも郡司には追い風だ。中でも今年の北井は自力攻撃に一段と磨きがかかった感がある。全日本選抜で❸着と好走すると、ウィナーズカップでも決勝に乗っていて、ビッグレースで大活躍。今の充実ぶりなら、いつタイトルを獲っても不思議ではない。
地元地区の北日本勢は新山響平、佐藤慎太郎のSS班コンビに守澤太志らに期待がかかる。相変わらずスケールの大きな競走を披露している新山だが、今年は決勝となると大きな数字が目に付くだけに、そろそろ決勝で結果を出したい。地元の佐藤も決勝は中間着が多いので、ベテラン健在を地元ファンにアピールしたいところ。
昨年はG1で2Vを達成と飛躍を遂げた眞杉匠。今年は練習中の落車で鎖骨を骨折、ウィナーズカップでも準決で落車と流れが良くない。だが、戦える状態にはあるので、軽視は禁物だ。
一発の魅力を秘めるのは嘉永泰斗。4月川崎記念では、郡司、古性、新山ら並みいる強豪を相手に優勝をものにしている。仕掛けがツボにはまると怖い。
昨年のダービー覇者・山口拳矢は一息不足の場所が続いている。意地を見せるか。