熾烈を極める短期決戦
昨年の「スーパープロピストレーサー賞」を制覇し、G1で3冠の古性優作は不在。優勝候補は5指に余る大混戦だが、安定感なら清水裕友が一番だろう。今年はSS班に返り咲くと、いきなり初戦の1月大宮記念でVをゲット。その後も全日本選抜で準V、ウィナーズカップでは決勝3着、ダービーは準決1着で危なげなく決勝に乗っていて、とても高いレベルで成績をまとめている。当所は4月の記念開催に参戦したばかりで、オール連対の準V。いいイメージで走れるはず。自力でも犬伏湧也の番手でもいつも通りの躍動感に溢れる競走で主役を演じるとみた。盟友の松浦悠士は、ウィナーズカップの準決で落車し、4月は2場所を欠場。復帰戦だったダービーは、二次予選で勝ったものの、準決はまくって勝った清水に続けなかった。この大会は20、21年と連覇した実績がある。踏み出しで口が空かずに続ければ、首位に躍り出る場面もあろう。
底力なら最上位の脇本雄太は体調が気になる。ウィナーズカップでは、久しぶりにビッグレースVを手にしたものの、4月西武園記念では、初日特選9着で2日目から欠場し、ダービーでも勇姿が見られなかった。8割程度の体調でも好勝負が見込める脚力の持ち主だし、同県寺崎浩平の動きに乗れるようなら、展開の利を得られる可能性もある。初日優秀戦の動きには注目しておきたい。
全日本選抜でVの郡司浩平も有力な優勝候補だ。自力勝負でもVは狙えるが、北井佑季、松井宏佑ら先行型の存在は心強い。特に北井とは相性が抜群で、4月川崎記念の初日特選、ダービーの5日目にワンツーを決めたばかりだ。川崎の初日は、上がり10秒9の超速まくりで北井が郡司を振り切っていて、仕掛け次第では北井の単も十分に考えられる。自慢の快速を遺憾なく発揮し、今年は勝率が5割の深谷知広もいるので、南関勢の戦力は充実している。
ダービー❶着。待望の「ダービー王」に輝いた平原康多も忘れてはならない。決勝は好機に仕掛けて主導権を握った、吉田拓のチャンスメイクをきっちりものにしている。1走目の特選は、最終バック先制のまくりを放った眞杉匠を差しており、ここも眞杉が強気に攻めれば、平原に出番が巡ってくる。
なかなか波に乗れ切れずにいた山口拳矢だが、ダービーでは準決でまくって勝ち星をものにしていて、昨年覇者の意地を見せた。これで自信を付けたようなら一発が期待できる。タッグを組む浅井康太は、2月高松記念を含み、今年は3Vと順調に来ている。
新山響平、佐藤慎太郎の北日本SS班コンビは、両者ともにやや物足りない成績だ。だが、新山は相変わらず積極的な競走をしているので、軽視はできない。