総合能力が高い古性優
今年はまだビッグレースでは優勝に手が届いていない古性優作ながら、成績は高いレベルでまとまっている。全日本選抜は決勝4着、ウィナーズカップ準V、ダービーでは決勝3着。G3では5月函館記念で今年3V目をゲット。先行した松井宏の番手を郡司浩から奪い取ると、直線で楽に抜け出していて、縦横無尽に立ち回る自在戦が冴え渡っている。直近4カ月の3連対率は驚異のジャスト9割。連の軸として最も信頼できる存在だ。近畿の自力型が見当たらないここは、何でもありの総力戦でVを目指す。同郷の南修二が古性に続く。連係実績は豊富で、全日本選抜の準決、2月奈良記念の準決、ダービーの特別選抜予選でワンツーを決めている。大阪コンビでの連独占は有力。
昨年のグランプリチャンプ松浦悠士も有力な優勝候補。今年も安定プレーを演じていたが、ウィナーズカップで落車のアクシデントに見舞われた。2場所欠場してダービーで復帰を果たしたものの、まだ本調子ではない印象だ。ただ、調子の上積みは期待できるし、高知全プロ記念で連係した犬伏湧也、5月和歌山でV、高知全プロ記念では連勝するなど、動きがいい取鳥雄吾らラインの自力型もそろっている。好連係を決めて首位に躍り出る場面は考えておきたい。
北津留翼、嘉永泰斗、伊藤颯馬と自力型がそろった九州勢は、幅広い組み立てが可能だ。最も若い伊藤が先陣を受け持ち、嘉永、北津留で続くのが自然な布陣か。最近の嘉永は大きな数字が目立つように、調子は今ひとつの感がある。4月川崎記念を制した頃の脚勢が戻れば、主役を演じても不思議ではない。対照的に北津留は5月向日町、6月玉野を連覇するなど順調に来ている。一昨年の73周年大会に続き、2V目ゲットに闘志を燃やす。
北井佑季、岩本俊介の南関勢にも食指が動く。今年の北井はF1戦ながら4V、全日本選抜、ウィナーズカップで決勝に進出するなど、グレードを問わず持ち味のパワー先行で別線を圧倒している。主導権さえ握れば勝ち負けに持ち込めよう。岩本も今年は充実している。3月京王閣の初日特選から4月川崎記念の一次予選まで、圧巻の11連勝を達成した。ダービーでも❷着とブレイクしていて、現在の獲得賞金ランキングは第4位。グランプリ出場も視野に入る活躍ぶりだ。展開が向けばあっさり勝ってもおかしくない。
2年連続でSS班を張っている新山響平だが、今年は5月末までに5勝にとどまっている。積極的な組み立てに変わりはないものの、末脚を欠く場面も散見する。前半の最終戦なので、後期に向けて弾みを付けたい。マークする阿部力也は伸びの良さが目に付く。5月武雄記念では1❷着と好走している。
落車負傷で1カ月半欠場した藤井侑吾だが、復帰後は5月和歌山1➍着、同月富山は3連勝と順調だ。先行力を発揮し台風の目と化すか。