• 久留米競輪場開設75周年記念中野カップレース6/22〜6/25

後記 GⅢ 久留米 06/22

スピードバトルを山崎賢人が制す

山崎賢人

山崎賢人

決勝優勝写真
決勝優勝写真
決勝優勝写真

 パリ五輪には帯同せず、リザーブとして国内にとどまることなった山崎賢人。その悔しさを、18年取手記念以来2度目のG3優勝で晴らした。
 九州を担う若手3人での連係。山崎は、準決と同様にライン3番手の位置で勝機を待った。
 「しっかりラインとして機能しないとなっていうのがあったんで、まずは内を締めてと。(伊藤颯馬が)新山を叩き切ったので、とんでもなくきつかった」
 伊藤が、新山響平を上回るダッシュで主導権を奪ったが、単騎の森田優弥がすんなりと九州勢を追走。間髪入れずにまくり上げ、番手まくりに出た嘉永泰斗をまくり切る。森田には上を行かれた山崎だったが、続いて仕掛けてきた松浦悠士はしっかりとブロック。返す刀で森田の外を、鋭く追い込んだ。慣れない位置でも、冷静さが光った。
 「森田がすかさず来たので、あっと思った。行かれたけど、その後ろはしっかり(止めよう)と思って。ちょっと迷ったところもあったけど、2人でもがき合っていたので(踏んだ)。周りはみんな強い人だったんで、その時、その時で反応して、判断した結果ですね」
 パリ五輪への出場が叶わなくとも、ナショナルチームで積んだ経験は無駄じゃない。ナショナルチームの去就についての明言は避けたが、サマーナイトフェスティバルと、オールスターへの出場は決まっている。競輪では、活気づく九州地区の一員として、地元地区全体を盛り上げていく。
 「(ナショナルチームでは)すごい良い環境で練習をさせてもらっていました。レベルアップできたと思います。今回は、ラインのおかげで勝てた。ラインの先頭で頑張れるように、自力でもっともっと強くならないといけないです。九州で盛り上げていきたいと思っているので。(競輪を)走るからには、優勝を目指したい。今回は(勝ち上がりで)1着を取れていなかったし、まだまだだと思います。自分の力をもっと上げていかないと」
 久留米は、デビュー戦を走った思い出のバンク。世界との戦いを経て、一回りも、二回りも大きくなった山崎が、縁のある地で競輪選手としてのリスタートを切った。

 2着の森田優弥だが、単騎で持ち味の巧さを発揮。番手まくりの嘉永の上を、あっさりとまくったのはインパクト大だった。
 「(伊藤)颯馬が出切ったらラッキーと思って(九州勢に)付いてました。出切れなくても、どこかに降りて勝負だなと。颯馬が自分が思ってたよりも早く踏んで、いろいろと狂ったんですけど、颯馬が強かった。嘉永さんが番手から出て、3番手にいても優勝はないと思って仕掛けました。(まくれたのは)ギリギリでした。すんなりあの位置を回れたし、展開も向いたので」

 最終ホームで8番手となった松浦は、1コーナーから仕掛けて前団に接近。松浦が2センターで失速すると、マークの田尾駿介は内に降りて山崎の後ろへ。そのまま前を追って3着に入った。
 「松浦さんとは初連係でしたし、番手に付けられることなんてそんなにない。良い経験ができました。松浦さんが良いスピードで行ったし、新山を超えた段階で2人で決まったと思ったんですけど。良いブロックをもらっちゃいましたね。僕は最後まで踏めたのが良かったです」

Race Playback

レース展開4
 初手から九州勢を追う形になった森田優弥選手が二段駆けの九州勢を鮮やかに飲み込んで先頭に。だが、九州3番手だった山崎賢人選手が森田選手に続いてきた松浦悠士選手を阻んでからゴール前一気。

レース経過

誘導員 : 穴井利久

 スタートで菅田壱道が飛び出して、北日本勢が誘導員の後ろを占める。道中は、新山響平-菅田-阿部力也、松浦悠士-田尾駿介、伊藤颯馬-嘉永泰斗-山崎賢人、森田優弥の並び。 赤板を目掛けて伊藤が後方から上昇。伊藤は打鐘前に新山を叩き切って九州勢と続いた単騎の森田まで出切る。その後も伊藤はペースを緩めず加速していって、隊列は一本棒で最終ホームを通過。ホーム過ぎに松浦が8番手からまくりを開始するが、1センター付近で嘉永が番手から発進。一方で入れる場所がなく初手から九州勢後位に付けていた森田も2コーナー出口付近から勢い良くまくり上げて2センターで嘉永を捕らえる。4コーナーでは後方で松浦、菅田、田尾が接触し菅田が落車。嘉永の仕掛けに乗り、2センターで松浦を捌いて車を外に出した山崎が、直線で森田を交わしてV。森田が2着。松浦後位から切り替えて追い込んだ田尾が3着に入った。

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