ダービー王・平原康が主役
今年は10年間維持していたSS班の座を無念にも手放した平原康多。しかしながら、ダービーでは関東連係を実らせて初のダービー王に輝き、暮れのグランプリ出場権を手中に修めた。その後も6月前橋記念❸着、高松宮記念杯では青龍賞にコマを進めるなど順調にきていたが、最終日に落車のアクシデントに見舞われた。だが、体調には問題なさそうで、このメンバーで主役の座は譲れない。徹底先行で売り出している同県の新鋭・山口多聞、攻め口多彩な雨谷一樹らとの関東連係から勝機を見い出す。雨谷は、ダービーでは一次予選で勝ち星をゲットすると、高知全プロ記念は最終日に勝っていて、軽快な動きを披露している。ただ、6月は走っていないので、レース勘が鍵となりそうだ。山口は6月取手記念は準決に勝ち上がって関東勢を決勝に送り込む先行策を披露したし、勝ち上がりに失敗した7月小松島記念も負け戦は逃げ切り連勝。引き続き動けている。
対抗格はG戦線で存在感を示している松本貴治だ。3月松山記念1❸着、4月川崎記念1❻着、6月取手記念2❻着など、G3では高いレベルで成績をまとめているし、高松宮記念杯で2連対など、G1でも毎開催連に絡んでいる。あまり仕掛けは早くないが、好位置占めてのまくり、差しは破壊力抜群。持ち味を発揮なら単も望める。最近の隅田洋介はほとんど自力を出していないので、ここは中四国スジの松本に前を任せるか。
直近4カ月の競走得点を110点台に乗せている中井俊亮の一発にも魅力を感じる。6月奈良G3では着、惜しくも決勝は外すも2勝をあげているし、F1戦は5場所続けて優参していて、6月平では3連勝で今年の初Vを手にした。近畿勢はライン手薄の不利はあるが、レースの流れに乗って自力を出せれば好勝負に持ち込める。
地元地区の九州勢は岩谷拓磨、後藤大輝の福岡コンビに期待がかかる。今年は一息不足の場所が続いていた岩谷だが、5月向日町❸着、6月大宮❷着、6月久留米記念は2着で準決に進出するなど、ここに来てようやく上向いてきた印象だ。後藤は今期初めてS1班に昇格。まだS級では優勝に手が届いていないものの、6月大垣は3日間先行して2❷着、同月久留米記念では一次予選、二次予選ともに逃げ粘って2着など、先行力に磨きがかかった感がある。後藤がいつも通りの積極策で先手を奪い、岩谷が無風で番手を回る展開になれば、両者で連独占もありうる。
目標をつかんだときの捌き、差し脚はしっかりしている佐々木龍も侮れない。6月前橋記念3着の二次予選、最終日は、いずれも松井宏に食い下がり、神奈川ワンツーを決めている。ただ、ここは南関勢の自力型が手薄。好位置キープに成功なら連対十分なので、動向には注意したい。