地元のスターが勢ぞろい
6大会連続で南関から優勝者が出ている大会。郡司浩平、北井佑季の今年のG1覇者に、賞金でグランプリを狙える位置に付けている和田真久留、松井宏佑と地元のトップスターが集まるだけに、直前の平塚オールスターでの高いテンションそのままに、別地区の強豪をまたも退ける可能性はかなり高そうだ。本命には北井を推す。優勝している郡司、和田、松井と違って当所記念ではまだ実績らしい実績を残していないが、以前とは立場が違う。番手を回ってG1初制覇を遂げたことで逆にラインの先頭で戦う気持ちは一層強くなったのでレースに迷いはない。手厚い掩護で押し切りを目指すだけだ。そろって勝ち上がった場合は松井が番手を回るのでは。松井も先導役として戦ってきていて、レースに対する姿勢や実力は誰もが認めるところ。チャンスが巡れば逃さない。地元エースの郡司はこの大会で4Vの実績を誇る。番手を回る機会が増えて競られる場面も出てきたが、乗り越えていかなくてはいけない試練なのは本人も自覚している。自力でもラインを固めるレースでも最善を尽くすだけ。それは和田も同様だ。自力で強いところを随所で見せているものの、高松宮記念杯決勝のようにまずはラインの競走に徹する。
地元勢を力でねじ伏せられるとすれば脇本雄太しかいない。高松宮記念杯では準決で犬伏湧の3番手まくりを合わせ切って逃げ切り、6月取手記念の準決もバンクレコードタイとなる上がり10秒7の快速まくりを決めて圧勝。そして、7月福井記念でも連日10秒台の上がりタイムを叩き出して完全V。戦う態勢が整った。郡司の突っ張り先行の前に不発に終わった高松宮記念杯決勝のリベンジ戦。同じ轍は踏まないか。近畿の援軍が手薄なのはマイナス材料だが…。
ウィナーズカップでの落車の影響を長く引きずる松浦悠士ながら、7月別府着などあと一歩で復活宣言が出るところまで戻ってきている。自信を持って自力で勝負できるようになれば巻き返し必至。展開に応じてタテヨコ俊敏に対応できる持ち味を発揮しよう。昨年のグランプリ王者の松浦の攻撃的な走りからは目が離せない。
勢いある関東勢からは小林泰正が参戦する。サマーナイトは精彩を欠くなど調子下降気味も、そこまではG1を連続優参、6月前橋記念を完全優勝してグランプリ出場も視界に入っている。タテ攻撃に一段と威力を増したのが快進撃の要因といっても地元勢に正攻法で対するのは厳しい。松浦と同じく総力戦で挑む。
浅井康太や佐藤慎太郎は、脇本の番手主張を含めて選択肢は色々とありそう。実績は申し分ないし、近況も悪くない2人。出方次第で浮上は十分だ。