脇本雄がスピードで圧倒
オールスター着。準決は松井宏のまくりに屈して決勝を外した脇本雄太だが、パリ五輪のケイリン、スプリントで活躍した太田海を叩いて主導権を握ったレース内容は悪くなかった。ドリームレースで北井佑季、深谷知の南関2段駆けをねじ伏せたレースも力強く、戦えていた印象だった。輪界トップの脚力を持つ脇本の調子が問題ないなら、優勝に一番近いとみるのは順当だろう。この大会は71、72周年をいずれも4連勝で連覇していて相性もいい。今年は一段と飛躍を遂げた窓場千加頼。オールスターでは一次予選2、二次予選、準決と3連勝すると、決勝は惜しくも後続の古性優に交わされたものの、上がり11秒1の快速まくりを決めている。タイトルが視野に入ってきた充実ぶりなら、地元でG3初V達成の期待も大きい。
オールスターでは、一次予選2で無念の1失を喫して姿を消した清水裕友だが、8月松戸記念着では、今年の記念3V目を手にしていて、調子にはまったく問題がない。今年は年頭から安定した成績を残しており、獲得賞金ランキングは第5位。グランプリ出場に視界は良好だ。躍動感にあふれる自在戦を奏功させてのVゲットは大いにあろう。岩津裕介が清水とタッグを組む。オールスターでは予選を着で準決にコマを進めていて、差し脚は冴えている。
北井、和田真久留、松谷秀幸とそろった神奈川勢も好勝負が見込める。高松宮記念杯でタイトルホルダーの仲間入りを果たした北井は、昨年のこの大会の覇者。逃げ切りで記念初優勝を飾ったゲンのいいバンクだ。オールスターのドリームレースでは、新山響と激しい叩き合いの末に先行していて、同県ラインができるここも強気に攻めそう。和田は8月小田原記念を着。準決では北井の逃げを差し切っていて、ここも北井がレースを支配すれば、チャンスをものにできる状態にある。松谷も7月別府記念で準Vなど、最近の調子は良好だったが、オールスター落欠着。落車は大事には至らず、その後も休まず走っているものの、体調には一抹の不安が残る。
前期はやや物足りなかった佐藤慎太郎だが、後期に入り調子を上げてきた。7月小松島記念着、オール連対の準Vと気を吐くと、オールスターは着。今年初めてビッグレースで決勝に乗っている。まだ安定しないところはあるし、ここは北日本の自力型が手薄だが、たとえ目標が不在でも突っ込みには警戒しておきたい。
サマーナイトはあまり振るわなかった佐々木悠葵だが、オールスターでは着と3連対の活躍を演じた。軽快な動きを披露していたので、仕掛けがツボにはまると一発怖い。
嘉永泰斗はオールスターを病欠。初日の動きに注目したい。