9年ぶりに本場で開催
共同通信社杯着。持病である腰痛の影響に、夏場の連戦の疲労もあっていい状態での参戦が難しく、なかなか成績が安定しない脇本雄太。しかしながら、7月福井記念、9月向日町記念では、いずれも豪脚を炸裂させてVをゲットしていて、輪界トップの機動力はケタ違いの破壊力がある。脇本マークが有力な稲川翔は踏ん張りどころだ。最近は脇本の仕掛けに離れたり、F1戦で立て続けに失格をするなど余裕がない。ここまでには立て直して脇本との文句なしのワンツーを決めて巻き返しをアピールしたいところ。
SS班の深谷知広に郡司浩平、内藤秀久の神奈川コンビと南関勢は戦力が整っている。深谷と郡司は連係実績が豊富だ。共同通信社杯の決勝でタッグを組んだばかりで、郡司が深谷を連れて先行している。オールスターのシャイニングスター賞では、前を回った深谷がまくって勝ったように、前後は流動的だ。ともに自力攻撃の破壊力には素晴らしいものがあるので、どちらが先陣を受け持っても、南関勢での連独占は大いにありそう。久留米での代替開催ではあったものの、郡司は70、72周年を制していてこの大会とは相性がいい。賞金ランキング第12位の深谷は地元静岡でのグランプリ出場へ正念場。Vを獲れる状態にきっちり仕上げて臨もう。
地元勢はエース格の嘉永泰斗、松本秀之介、中本匠栄、松岡貴久、瓜生崇智と充実のラインナップ。好連係を決めれば、地元勢が優勝を手にしてもおかしくないメンバーがそろった。中本は73周年記念の覇者。そして、嘉永は71周年記念に加えて、記念すべき7月のリスタート開催で、北井佑を撃破し優勝した実績がある。ただ、共同通信社杯での嘉永は動きが重く、着とめずらしく大叩きしたのは気がかり。新車のセッティング等も含めてどの程度まで修正できるかが、浮沈の鍵となりそう。
山口拳矢は共同通信社杯着。一次予選は最終バックでどん尻からまくって勝つと、最終日は4番手から直線で突きぬけていて、スピードの切れは悪くなかった。地元の9月岐阜記念を直前で欠場したのは気掛かりだし、今回の中部勢は上位陣が少ないので、厳しい戦いを強いられる可能性はあるが、好位置キープに成功すれば一発十分。また、本来なら清水裕友も有力な優勝候補だが、共同通信社杯で落車し、横突起を骨折した模様。
山口や清水が本調子でないなら、坂井洋の一撃が怖い。しっかりしたレースの組み立てに、踏み出してからのタテ脚の切れも上々。地元の共同通信社杯で準決敗退に終わったのは痛恨だったが、二次予選Bでは松浦悠らをまくりで一蹴している。