神奈川S班コンビが中心
25年最初のグレードレースは、郡司浩平、北井佑季の神奈川の新S班コンビがV争いをリードしていく。両者は数え切れないほど連係を重ねていて、24年のそれぞれのG1優勝はその連係から実現したものだ。最近の北井はトップスピードが物足りない感じで、まくられたり末の粘りを欠いたりだが、グランプリに向けて究極に仕上げてくるはず。状態を維持して乗り込んでくれば、先手を奪って別線を完封する走りが見込める。どうあれ、北井の走りや力量を把握している郡司なら、状況に合わせてオールラウンダーぶりを発揮してくることだろう。24年は全日本選抜で優勝して早々にグランプリ出場の権利を手にしたが、新年もスタートから優勝という結果を出して乗っていく。
実績を考えれば清水裕友を主役に期待しても良さそう。元々、パワーが必要な冬の重いバンクは得意とするところで、24年は1月の大宮記念の優勝から飛ばしに飛ばして2年連続のグランプリ出場を早々と確定的なものにした。何より立川記念は過去に連続優勝もあったほどの大会。好機にパワフルな自力攻撃を決めてのV奪取は十分だし、先行意欲旺盛な取鳥雄吾との連係が叶えばさらに勝機は膨らむ。取鳥とは連係が多いのみならず、競輪祭の1勝をはじめ清水はほとんどのレースで1着を取っている。
平原康多をどう評価するか。ダービー初制覇で、郡司とともにS班復帰を決めた24年だったが、終盤は落車続きだった。神奈川勢や清水と同じくグランプリを目標に調子を上げてこれれば、ダービー決勝でも目標にした吉田拓矢や菊池岳仁ら目標はしっかりしているのでチャンスはありそう。また、関東では高橋築、鈴木玄人、大矢崇弘ら地元勢の奮起も見ものとなる。特に当所ホームの鈴木は自力自在戦でランクアップ中。伏兵に止まらない。
荒井崇博もV候補の一角を占める。24年もビッグ戦線で存在感を発揮。競輪祭では2年ぶりのG1決勝の舞台にも上がった。ここは後藤大輝が九州ラインを力強くけん引していきそうだし、連係実績がある中国勢もいて条件は悪くない。自慢の差し脚を伸ばしてくるシーンも。
藤井侑吾、山口拳矢の中部コンビも注目だろう。ド迫力の先行で勝負する藤井は中部期待の星。12月大垣記念❷着でも山口は藤井の番手を回って1着を取っている。24年は最後までかみ合わず2年連続のS班はかなわなかった山口だが、もちろん、本来の自力自在戦でもVを狙っていける切れ味は健在。ここから巻き返しを始めたい。
さらに競輪祭で優参した村上博幸の存在も気になる。