郡司浩が軸の神奈川ライン
追加参戦となった郡司浩平がS班の威厳を示す。昨年の郡司は全日本選抜で優勝していち早くグランプリ出場を決め、その後もビッグ5大会で決勝に乗るなど自力、番手戦と使い分けながら南関勢のリーダー役として安定した成績を残した。新年も1月立川で準Vと上々のスタート。決勝は藤井侑を番手まくりした山口拳を捕まえられなかったが、中団確保から2コーナーまくりで迫った。ここも和田真久留、松谷秀幸との同県連係で、ラインの先頭で戦う可能性が高そう。別線の機動型もそろっているが、レース巧者ぶりでは抜けた存在。しっかりした立ち回りから一撃を放つ。和田も郡司とは戦法が似通っていて、まくりのスピードは一級品だ。郡司とはケースバイケースで戦っているので前で総力戦の可能性もあるし、番手なら絶好のVチャンスだ。さらに松谷も成績を高いレベルでまとめていて、直近4カ月の3連対率は8割超。3番手からでも突っ込みには警戒したい。
中四国勢が神奈川勢の相手か。その先導役を務めるのは犬伏湧也だ。昨年は後半戦に入り調子を上げていて、G3で2V、F1戦は3V、G1では競輪祭で準Vと気を吐いた。今年も初戦の1月四日市着とまずまずのスタート。異次元ダッシュで繰り出す自力攻撃でレースを支配し、後続も離れずに付いていければラインでの上位独占も見込める。犬伏を追走するのは石原颯、香川雄介の地元勢か、勝ち上がり次第では河端朋之がライン参加することも。いずれにせよ、1月玉野を逃げ切り優勝と意気上がる石原、相変らずしぶとく着をまとめている香川のみならず、寬仁親王牌で優参し、1月豊橋でVなど近況も良好な河端の動向も気になる。
突っ張りを基本としたスケールの大きな先行で、3年連続のグランプリ出場を果たした新山響平の単にも魅力を感じる。22年に競輪祭を制した後は、ビッグレースで優勝には手が届いていないものの、昨年はG1大会で4回決勝に乗っている。今年の初戦となった1月和歌山記念が着と全くかみ合わない結果に終わったのは不安も、同じ失敗は繰り返さないだろう。北の援軍がやや手薄なのも跳ね返してここから勢いに乗っていきたい。
伊藤颯馬の追加参戦で九州勢も盛り上がっていきそう。伊藤颯は12月別府からF1戦は3連覇中だし、1月大宮記念も着で初日特選を単騎まくりで制するなど動きは軽快そのものだ。伊藤旭もハマった時のタテ攻撃には定評があるが、1月熊本を制するなど番手もソツなくこなす。中本匠栄、松岡貴久らも含め九州が一つにまとまれば優勝者を出せる陣容となる。
南修二、三谷将太の近畿勢は上位にスジの目標が見当たらず、前々戦に活路を見出そう。組み立て次第では侮れない。