仲澤春香の一強ムードだが…

仲澤春香

竹野百香
まだ歴史は浅い大会だが、デビュー2年未満のヤングによる力比べは毎回波乱の結果になっている。今年はどう決着するか興味深い。とはいえ、最もVに近いのは仲澤春香なのに異論はないだろう。12月から正式にナショナルチームの一員となったが、最初から規格外の強さを発揮していて、本格デビューして着外は僅かに1回。9月以降は23連勝中というすごさだ。しかも勝った相手には坂口楓華、太田りゆ、梅川風子と錚々たる名前が並ぶ。ネーションズカップでトルコ遠征から帰国直後となる予定だし、レースでも勝負所で併走されたり包囲網を敷かれる可能性はあるものの、そうした課題も一つ一つクリアしていっているので克服するはず。長い距離をいけて、ゴール前でもしっかり踏み直せる脚は他の追随を許さない。同期だけでなく、先輩期の竹野百香、熊谷芽緯、松井優佳、宇野紅音もことごとく破ってきているので、新世代リーダーとして期待に応える。
竹野、熊谷がどこまで抵抗を見せられるか。竹野はデビュー当時に比べると流れに応じて組み立ての幅が増した感じで、流れで先行、まくりを使い分けて昨年5V、今年も3Vと124期ナンバーワンらしい活躍ぶり。こちらも奥井迪や石井貴子(千葉)を倒して優勝しているし、3月平塚の予選2で尾崎睦を破ったレースも進化を感じさせた。24年ガールズ優秀新人選手賞を受賞した熊谷はトップレーサーも警戒する先行屋。カマシで石井らを6車身千切った2月平塚MNの予選2など圧巻だった。
松井、宇野も若手の中でも屈指の安定感の高さを誇る。124期の卒記チャンプでデビュー当初から注目された松井は意識的に積極策を多用して成果を収めている近況。宇野も前々自在戦の精度を上げている。
126期からは仲澤に加え、中島瞳、大浦彩瑛が参戦。ともに今年に入って初優勝しているが、大浦は3月岐阜12着で俄然注目の存在となった。日野未来、石井寛子を一蹴したタテ攻撃の切れ、加速はインパクト絶大だった。このデキならV争いに食い込む。