躍動感が甦った山口拳

山口拳矢 欠場
今年はSS班を明け渡した山口拳矢ながら、最近は好調時の脚勢を取り戻している。初戦の1月立川記念では郡司浩らを撃破してVスタートを決めると、同月久留米でも優勝をゲット。全日本選抜は二次予選で敗退したものの、着とまくって2連対を果たしていて、スピードに切れが出てきた印象だ。今シリーズは実力上位だし、ホームバンクでもあり、優勝を譲る訳にはいかない。志田龍星、山口富生らと好連係を決めて地元ファンの期待に応える。志田も近況はいい。1月別府は逃げて準V、2月奈良記念1着、3月京王閣着。地元ラインの先頭を任されれば強気に攻める。地元の重鎮・山口富生は55歳の大ベテランながら元気一杯。全日本選抜の最終日は、北津留翼の逃げを差して1勝をあげていて、G1最年長勝利の記録を更新した。あふれる闘志、差し脚は健在で、弟子の山口拳を目標に上位進出を目指す。

鈴木竜士
鈴木竜士、菊池岳仁と2枚の自力型を擁する関東勢も好勝負が見込める。今年の鈴木は動きがいい。年頭から優参が続いていて、2月佐世保МN(G3)の決勝では、好位置キープから差し脚を伸ばして新田祐を破り、優勝を手にしている。自力基本の競走だが、積極的な菊池との連係が叶うようなら前を任せるか。全日本選抜は振るわなかった菊池ながら、1月立川記念、2月静岡記念では、いずれも準決にコマを進めている。スピードには非凡なものがあり、タイミングよく仕掛けて先手を奪えば、関東勢が優勝をさらう場面もありそうだ。

石塚輪太郎
最近は連対ラッシュの石塚輪太郎にも魅力を感じる。1月和歌山記念では1着と決勝進出を果たすと、2月は前橋2着、奈良記念2着と力強い走りを披露している。自信を付けているはずで、豪快な一撃を決めて首位に躍り出ても不思議ではない。タッグを組む山本伸一も動きは悪くない。石塚とは2月奈良記念の一次予選で連係していて、逃げた石塚を山本が差して連独占を決めている。好展開が巡ってくれば、ものにできる状態にある。
差し脚鋭い永澤剛も有力な優勝候補の一人だ。2月大宮の決勝は、同県大川剛の逃げに乗って準V。山口拳、鈴木竜らに先着した。酒井雄多が奮起なら出番が巡ってくる。ただ、全日本選抜の最終日に落車しているので、体調には一抹の不安が残る。
全日本選抜の2日目に勝ち星をゲットしている中本匠栄も侮れない。ここは九州の自力型が手薄なので、位置取りが浮沈の鍵となるか。
ダークホースは島川将貴だろう。調子を落していたときもあったが、最近はスピードが甦っている。1月高松記念の準決では、新山響を撃破するヒットを飛ばした。仕掛けがツボにはまると怖い。