深谷知が地元Vに一直線
深谷知広
残念ながら7回目のグランプリ出場は果たせなかった深谷知広ながら、今年はパワーあふれる自力攻撃で別線を圧倒する場面が目に付いた。G3の2Vを含み5Vを達成していて、ビッグレースでは4回決勝に乗っている。競輪祭は着。一次予選2で落車し、二次予選Bで敗退したものの、5日目、最終日のスピードは際立っていて、影響は全くない。この大会は65周年を制しているが、静岡に移籍してからはまだVを手にしていない。今年の最終戦を地元記念Vで締め括る。岩本俊介はSS班を手放すこととなったが、ダービーで2年続けて決勝進出、8月松戸記念でVなど、随所で存在感を示していた。SS班となってから多くなった番手戦をそつなくこなしていたし、自力勝負では快速を披露していた。競輪祭でも連係した深谷に前を託して勝機を見い出すか。ただ、南関勢はS班2人に加えて和田真久留も控える布陣。連係の形は流動的だ。
清水裕友
松浦悠士
清水裕友、松浦悠士の中国コンビも今年はグランプリ出場を逃がしている。清水はG3で2V、ビッグレースで優参3回とまずまずだったが、松浦は落車負傷による欠場が多く、年間を通してケガに悩まされた。Gレースで優勝がなく、ビッグレースでの優参ゼロは不本意な成績のはず。ただ、競輪祭では、ダイヤモンドレースを犬伏湧のカマシに乗って制しており、チャンスが巡ってくればものできる状態にある。レース巧者の岩津裕介も含め、中国勢から優勝者が出ても不思議ではない。
一発の魅力を秘めているのは中野慎詞だ。ビッグレースでは準決が壁になっているものの、ワールドクラスのスピードはSS班に引けを取らない。成田和也の援護を盾に主導権を握れば、別線を沈黙させる可能性もあろう。その成田は、競輪祭の二次予選Bで新山響のまくりに続いて北日本ワンツー。目標を得たときの捌き、差し脚はしっかりしている。
ここのところ鋭い伸びを披露している山田英明にも食指が動く。寬仁親王牌は惜しくも準決4着で決勝を逃がしたが、11月四日市記念1着とオール連対の準V、競輪祭では準決1着で、昨年の全日本選抜以来となるG1優参を果たした。競走得点はうなぎ登りなので、ここはいいムードで走れるはず。タッグを組みそうな伊藤旭は短走路で好成績を残している。九州勢の動向には注意したい。
競輪祭では一次予選2でまくって勝利した森田優弥だが、二次予選Aを風邪で当日欠場している。11月四日市記念は4日間先行して2着など、最近の調子は良好だっただけに、影響がないようなら侮れない。