検車場レポート
松浦 悠士 広島 98期 |
野原雅也にフタをされた竹内雄作は、赤板で下げて6番手から反撃のタイミングをうかがう。警戒する野原が緩めた勝負どころを逃さず、竹内は打鐘手前で踏み込む。先行態勢を取っていた和田真久留も合わせるが、けん制を乗り越えて最終2コーナー手前で竹内が出切る。南関コンビの後ろにいた単騎の松浦悠士は、山賀雅仁をすくって竹内、志智俊夫の後ろに切り替える。志智が野原を張った一瞬の隙を松浦が突いて、押し切りを図る竹内をとらえた。
「スタートけん制が入ったら、南関勢(が前を取る)と思ったんでその後ろからでした。和田君も結構、踏んでたし、山賀さんはかなり余裕がありそうでした。(山賀の内をすくった最終)2コーナーも(インを突いた)4コーナーも冷静にできました。志智さんも最後はもっていくと思った。このメンバーで1着が取れたのはデカいし、ああいう走りをすれば1着が取れるっていうのがわかった」
「野原君が中団に落ち着いていたんで、ここしかないと思った」と、ロングまくりで中団の野原を乗り越えて、逃げる和田を沈めた竹内雄作。シリーズ後半を見据えて、慎重な姿勢でこう続ける。
「最近、長い距離を行ってない部分が、こういうところに出るのかなって。(まくりが)ムクムクした出方になってしまった。もうひとつ(スピードの)ギアを上げられれば変わるんでしょうけど…。もうちょっと瞬発系(の力)が入ってこないと」
最終ホーム手前で外を張り気味に踏んだ野原が竹内、志智に続くが、坂口晃輔に絡まれた椎木尾拓哉は連結を外す。コースを突いて差し脚を伸ばしての3着にも椎木尾は反省する。
「(野原が)俊敏だったんで、自分もちょっとなんとかしたかった。(今回から換えて)練習で使ってたフレームもいいと思います」
竹内の反撃に対応が遅れた野原雅也だったが、竹内ライン3番手にスイッチする動きの良さが光った。結果、その上をまくれずも、仕掛けた脚は悪くない。
「ここで来て欲しくないっていうところで、(竹内)雄作さんに来られてしまった。そのあともあれで無理やりでも(最終)1コーナー、1センターで外を行ってたら乗り越えられてたかもしれない。組み立てですね、これを反省して(準決は)しっかりと」