検車場レポート
三谷 竜生 奈良 101期 |
三谷竜生が平成最後のグランプリを制して、歴史に名を刻んだ。レースは大方の予想通り脇本雄太が主導権を握り、近畿勢がレースを支配。絶好の番手回りを生かした三谷が直線で鋭く追い込み、初のグランプリ制覇で優勝賞金1億160万円(副賞含む)を獲得した。02年の山田裕仁(61期・引退)の年間獲得賞金額の記録を更新して、初の賞金王に輝いた。
「本当に素直に嬉しかったですね。ジャンのところで少し浅井(康太)さんの動きが気になって、脇本(雄太)君も少し行きづらそうだったんですけど。でも、出切ってからは、しっかり後ろの様子を見てって感じでした。非常にかかっていましたし、誰も来れないかなと思っていたんですけど、清水(裕友)君が来たので少し張ったりしました。その外に浅井(康太)さんとかが見えたので、しっかり踏んで優勝を狙いに行きましたね。ダービー、高松宮記念杯、今回もしっかりラインができて。ラインで走った中での結果なので、本当に良かったです。近畿の強さを改めて実感することができました。(来年は)1年間、1番車っていうことで、責任感の中でしっかり走りたいと思います」
最終バック8番手から懸命にまくり上げた単騎の浅井康太は2着まで。グランプリ連覇はならなかったが、持てる力は出し切った。
「平原さんの後ろと決めてました。平原さんがもう1個、清水の前なら面白かったですね。平原さんに付いていって、そこから仕掛けたとしても3コーナーで浮くんで、それまでに平原さんの横までいこうと。もうちょいでしたね。(三谷)竜生もしっかり展開をモノにして優勝したんで強いし、そのなかで自分のできることを最大限やりきった結果なんで。勝てなかったのは何かが足りなかったということなんで、まずは来年のグランプリに出れるように、しっかり努力して考えることが大事だと思ってます」
最後方に置かれた新田祐大は3着に入るのが精いっぱいだった。
「脇本がけっこうかかってました。中団に清水君、平原さんがいて誰も何もしないことはない。その動きを見極めて、あとは自分のタイミングでって思ってました。リズムが悪くて綺麗に踏めなかったです」
人気を集めた脇本雄太は直線で力尽きて5着に敗れた。
「ジャン前の2コーナーの浅井さんの動きでバランスを崩して、焦ってしまいました。もう1回、立て直してから行けば確実に粘られますからね。自分のタイミングではなかったけど、4コーナー勝負はできると思ってました。あと30メートルくらい踏み切れないといけない。自分のなかではいい経験ができました」
先に切って近畿勢を受けた清水裕友は5番手からまくり上げて見せ場を演出した。
「楽しかったです。切って飛び付いたぶん、脚を消耗しました。キツかったけど、行くしかないと思って行きました。力の差がまだありますね」