検車場レポート
松岡 健介 兵庫 87期 |
野原雅也が早めに先頭に立ちマイペースに持ち込み、一本棒となったが、最終ホーム手前で中団の鈴木裕が落車。突然に目標を失った内藤秀久は、間髪を入れずに3番手の志智俊夫の位置まで追い上げと、最終バック過ぎに競り勝った。野原は理想的な先行に見えたが、4コーナーを回るとややスピードが鈍り、番手を回った松岡健介が一気に抜け出した。
「地元の野原君を残せなかった僕の技術不足もあったけど、このクラスで上を目指すなら、もう少し早く一本棒にしてしっかり駆けたほうがよかったと思う。後ろで『ガシャン』って音がしたので、誰かに何かあったと思うけど、そのタイミングで小松崎(大地)君あたりがきている可能性もあるので、見た目ほど絶好の展開って感じではなく難しかったです」
内藤秀久は、落車にも動じず迷わず追い上げて志智をさばき、ゴール前では外を飛んできた宿口陽一を張りながら松岡に詰め寄った。
「目の前で(鈴木が)落車して、『マジかよ!』ってビックリしたけど、いける所まで追い上げた位置があそこ。外からキメるのが僕の真骨頂ですから。(落車した)鈴木君は残念だったけど。競輪をしたって感じで面白かった」
スピード全盛の競輪界の中で、クラシックなハンドルさばきでファンを魅了するこの男の存在もまた貴重だろう。