先行貫く福田稔希 ~川崎競輪~

photo-92724
福田稔希
地道に先行を貫き通す
各地で好内容のレースを披露

 川崎競輪F2ミッドナイトチャレンジは、11月30日(土)に初日が行われた。125期の新人が5名参加し、初日はその5名全員が1着スタートを切った。そのなかでも、5Rに出走した福田稔希(栃木・125期)の競走内容は際立っていた。

 赤板で中尾翔の上昇を突っ張った福田は、後ろの様子をうかがうと打鐘2センターからスタンディングでペースアップ。最終2コーナーから反撃した中尾を、再度合わせ切って逃げ切った。番手の黒崎直行と、3番手の藤田和彦の、2人合わせて112歳のベテランコンビを連れ込んで、ライン上位独占をメイクした。

 「重かった。風はなくて走りやすかったけど、脚見せからずっと重かった。本当は、シッティングで徐々に上げていく感じで駆けたかったんですけど、中尾さんが車間を切ってたんで、カマされないように、打鐘過ぎくらいからケツを上げて駆けていきました。特に、中尾さんとは初対戦だったんで、どんな感じで仕掛けてくるか分からなかったんで。川崎は、モニターが2コーナーのところにあるから、先行しながら見やすい位置にある。あれが、ありがたかったですね。あとは、この重さに対応できるかどうかだと思います」

 風を切りながらも、落ち着いて状況を判断する力は、養成所時代から先行にこだわってきたからこそ備わったもの。準決は、同期・久田朔との対戦だが、やることは変わらないと言う。

 「同期が相手でも、自分はとにかく前々です。もし、それでまくられたら、また練習すればいいだけなので」

 師匠の山口貴弘の教えを守り、実直に先行の道を突き詰める好青年。その競走スタイルもさることながら、すらりと伸びた手足と、素朴な風貌から、どこかデビュー当初の眞杉匠を思い出させる。準決勝6レースも、将来を見据えたスケールの大きな競走で、ミッドナイトファンを沸かせる。

熊谷洋祐記者

2024年12月1日 01時01分

開催情報

ページトップへ