初V目指す松坂侑亮 ~玉野ミッドナイト~

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松坂侑亮
兄を追う南関期待の大型先行

 5月30日開幕の玉野ミッドナイトは、当初あっせんがあった伊藤颯馬が直前にS級へ特進し、その他にも大幅なメンバー入れ替えがあって混戦模様となった。伊藤慶太郎、佐藤雅春、松坂侑亮と機動型がそろった東の遠征勢がV争いをリードするのは確実で、新鋭・松坂を本命に抜擢したい。2月に特班を果たした松坂は1・2班戦をここまで3場所走って優勝は果たせていないが、大物の片りんは示している。ラインの援軍は手薄だが、先行基本の積極策という持ち味を崩さず攻め抜けば結果は付いてきそう。伊藤慶太郎もここでは先行力が目立つし、佐藤は前S級で、まくりの破壊力には定評がある。組み立てや組み合わせ次第であっさりのケースも。
 対するは中部勢だろう。2カ月ぶりの実戦に燃える吉川起也とマーク堅実な疋田敏、自在に何でもこなす大洞翔平ら戦力は整っている。吉川起は1月岐阜で2角まくりを決めてV奪取。来期は14年後期の以来のS級復帰を果たすように機動力は健在だし、2月に怪我をするまで準決を3連勝していた吉川希望が優参なら番手を回ってより有利にレースを運べそう。
 岸川哲也、久樹克門も一発があるし、大竹慎吾も位置取り次第では連浮上がある。

 期待した松坂は、S級上位で活躍する兄(洋平・89期)を追って輪界入りした売り出し中の新鋭。兄との練習で着実に力を付け、デビュー後は素質が開花した。誘導員早期追い抜きによるペナルティーで4カ月戦列を離れるアクシデントはあったが、“失格した後は気持ちを切り替えて練習していた”と逞しさを一層増した。それが復帰後の走り。負けなしでの2月に特班すると、2戦目の3月宇都宮ミッドナイトでは予選、準決を逃げ切って優参、さらに3戦目の4月小倉ミッドナイトでも“脚質に合っていて小倉は走りやすい”と12着で決勝に乗っていて初Vも時間の問題といった活躍ぶりだ。元々スプリンター脚質だが、地脚も付いてきて長い距離を踏むことを苦にしない。1・2班戦でも先行メインで小さいレースはしないを身上に戦っていく。これがデビュー14戦目とキャリアは浅いが、身長180㎝の恵まれた体格から繰り出すパワー駆けでグングンと掛かっていく姿は迫力満点で、同型のライバルを沈黙させるか

権田浩一記者

2020年5月29日 20時44分

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