上り調子の保科千春に注目 ~弥彦ミッドナイト~

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保科千春
先行基本のタテ攻撃が冴える

 6月16日からの弥彦ミッドナイトは、北日本、関東の2地区あっせんで混戦模様。どこからでも狙えそうだが、ラインの厚みを生かす東京勢に期待。傑出者こそいないものの、市川健太、長井妙樹の機動型に、追い込み型にも来期S級の内田英介と充実のラインナップ。中でも軸になるのは市川だろう。44歳になった今でも機動力は健在で、3月静岡では冷静な立ち回りからまくりを決めて優勝している。久々の連係となる長井に前を任せても、自力で戦っても、今回の相手なら勝てる。
 怖いのは佐藤佑一だ。降級の今期は決勝を外したのは僅かに1回で、優勝2回、初日特選を4勝と個の力ならメンバー中一番と評価できそう。まくりのスピードは一級品で、仕掛けのタイミングが的確なら敵を一気に飲み込んでV奪取は十分だ。
 北勢では、5月平115着、6月函館122着と絶好調の保科千春も有力なV候補。函館の決勝では保科が逃げて敵を完封し、三浦雄大が優勝している。今の勢いなら、その再現も考えられる。
 6月京王閣と同様に東京勢とは別で、前々自在戦に活路を見出しそうな吉田裕全、5月川崎の準決を逃げ切るなど上昇一途の地元の山崎寛巳、まくりに威力ある山口翼も一発あっていい。

 東京勢を中心視したが、注目はずばり保科千春だ。近年は好不調の波が激しく、昨年は前期のA級で優参もおぼつかないくらい低迷し、1年ぶりのS級だった後期は惨敗続き。降級の今期も大きな着が目立って一息の印象だったが、5月平、6月函館とここ2戦の強さは本物だ。平の準決は、瓜生崇-福島栄の3番手に追い上げて直線一気。函館は打鐘3角からのスパートでA級最強クラスの笠松将を封じて初日特選を逃げ切ると、準決、決勝も笠松や相笠翔らを次々完封する先行策でマーク三浦雄とワンツーを決めてみせた。S級では人の後ろを回るレースも多かったが、今は勝負所で動いて、そのまま駆けてしまうか、ヨコの動きも苦にしない強みを生かして反応良く好位をキープしてのタテ脚勝負が身上。自身を持って攻め切れば、16年12月西武園以来のVまであって不思議ない。

権田浩一記者

2020年6月15日 15時56分

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