6月17日からの函館ミッドナイトは、オール北日本という開催。フレッシュな反面、非常に難解な一戦と言えよう。勢い重視で、新鋭・後藤悠を本命に推す。まだ1・2班戦での優勝こそないものの、優参続きで、A級上位クラスの機動力は身に付けた。長欠明けの6月宇都宮を連日逃げて実力を改めて知らしめた佐藤朋也に、やはり同じ青森支部の日当泰之や磯島康祐、小笠原昭太、大崎和也らまで加勢なら援軍は豊富。ダッシュ良く主導権を奪っての押し切りに期待したい。相手も後藤の番手が有力な佐藤を推す。また、これだけ層が厚いと、青森だけでまとまって後藤らと別線もあり得るが、日当もＶ候補の一人だ。やや調子の波が大きい近況だが、１月平、２月佐世保をそれぞれ逃げ切り、まくりで今期Ｖ２の実績はダテではない。
　泉慶輔、佐藤雅彦の実力派宮城コンビが黙っていない。何よりこの2人にとって大きいのは太田将成が復活したことだ。今期に入って優参もままならないスランプ状態に陥っていたが、７月からの初のＳ級を控え、本来の機動力が蘇った。４月小倉ミッドナイト、６月青森ミッドナイトを連続準Ｖ。Ｓ級特進を目指していた小原丈を最後の最後まで苦しめた青森決勝の逃げなど見事だった。三度、太田がパワー発揮ならラインで上位独占は十分だろう。
　房州輝也、山崎司らの福島勢も伏兵で警戒したい。

　復活の佐藤朋を連れての逃走劇も考えられ、シリーズのキーマンとなりそうな後藤。特班初戦の10月川崎で落車して右鎖骨を骨折し一頓挫あったが、暮れの松戸から進撃が始まった。ルーキーチャンピオン戦を除き、9戦で決勝を外したのは1回のみ。国体でスプリント４位、チームスプリント２位などのアマ歴があり、ハイレベルなスプリント力を誇りながら、決まり手がすべて先行と言うのも威圧感を与える。3月川崎の後、競走中止で2カ月のブランクがあったが、“2カ月もまとめて練習できたし良い機会になった”と復帰戦の5月平は123着。“まだ末の甘さが気になります。出切ってからのペース配分ですね”と話すが、コンスタントに上がり11秒台で逃げ切る脚はS級レベルだ。9月平塚で特班を決めた時に破った相手はS級で活躍する朝倉智だけにまだまだ止まれない。1・2班戦初Vで旋風を巻き起こすか。

• 選手詳細データ

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  後藤悠 選手岩手・115期