ルーキー5人のスピードバトル ~松阪ミッドナイト~

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土生敦弘
デビュー後のレース内容は秀逸
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中嶋里美
卓越した機動力で坂口楓華を止めるか

 8月7日初日の松阪ミッドナイトはチャレンジ、ガールズ戦。チャレンジには117期のルーキーが5名参戦する。主役の座に最も近いのは土生敦弘だろう。5月小倉ルーキーシリーズでは決勝に進出。しかも、予選2ではナンバースリーの松本秀を破っている。そして、本格デビューすると、7月豊橋、続く名古屋ミッドナイトとVこそならなかったが、順当に実力を発揮。レース内容からも今回のメンバーなら力は一枚上だろう。
 下井竜にとっては初のホーム戦だ。7月四日市ミッドナイト、名古屋ミッドナイトはともに連勝で優参。しかも、6戦すべて主導権を握る好内容だった。こちらも地脚を生かした積極策で手応えをつかみ、ここも同期を相手に真っ向勝負を挑む。
 太田龍希は7月大宮を準優勝、宇都宮ミッドナイトではVをつかみ取っている。本格デビュー後の成績は前記の2人以上で、流れに乗っての一発は十分考えられるところ。また、梁島邦友、岡田亮太もV争いには加わってくるはず。
 87点の競走得点を持つ桜井大地が新人の前に大きく立ちはだかる。

 土生は、野球出身で自転車歴が浅くて在所成績は下位に甘んじたものの、競走訓練では積極的に自力に取り組み、第3回記録会ではA評価を獲得している。そのポテンシャルの高さを実戦になっていきなり発揮。ルーキーシリーズの6月小倉の予選2では狙い澄ました後方まくりで、在所ナンバースリーの松岡秀を飲み込んで波乱を呼んだ。
 「(小倉は)自分が思っていたよりも、やれるなっていうか、在所成績がトップクラスのメンバーにも、自分は下位だった割に戦えたとは思います。養成所を卒業して、今までよりもずっと踏めるようになっている気がしました」
 本格デビュー戦の7月豊橋112着、続く名古屋ミッドナイト123着。優勝は獲れていないが、上々のスタートを切った。トップスピードに乗り切るまでの加速力が非凡で、“ダッシュ力には自信があります”。タイミング良く飛び出して掛かってしまえば、先行でもまくりでも他を圧倒できる。

 ガールズは、中嶋里美、柳原真緒、坂口楓華の機動型3強によるV争い。中でも5連覇中と勢い一番の坂口を本命に最も相応しい。相手を考えた自在戦と言う自分のレーススタイルを確立し、結果が出てきたことで自信を持って走れている。
 だが、今回注目したい中嶋に、栁原もタイプは違うが、自力攻撃の破壊力はガールズ屈指で、好機に飛び出せばV十分。
 7場所連続で優参中と動き軽快な豊岡英子、田口梓乃、中野咲も連候補で外せない。

 中嶋、栁原、坂口は6月富山決勝でも戦っている。この争いを制したのは3番手からコースを突いて伸びた坂口だったが、打鐘から先手を握ると、成田可、栁原のアタックを合わせ切り、ゴール前まで粘り込んだ中嶋の機動力は断然光っていた。“戦法に迷った時期もあったが、先行でいこうと決めて結果も出た”。この一戦で手応えをつかむと、勢いのままに、7月には伊東ミッドナイト、大垣を連続V。ともに先まくりの上を豪快にまくって力を示した。そもそもが地脚タイプで、“自分から積極的にアクションを起こしていく”競走が身上。ここも迷いなく仕掛けられれば結果は付いてくる。

権田浩一記者

2020年8月6日 22時59分

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