混戦も佐山寛明を本命に指名 ~豊橋ミッドナイト~

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佐山寛明
混戦の中、パワー駆けで魅せる
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小松原正登
デビュー初優勝へ視界は良好だ

 9月23日に始まる豊橋ミッドナイトは、佐山寛明、張野幸聖と大砲をそろえる近畿勢がV争いをリードする。ただし戦法的に両者でまとまるのは難しそう。別で力勝負の可能性が高いが、佐山寛明がVに最短か。7月向日町では堂々の逃げ切りで1・2班戦初Vを達成。ここも先手を狙って出る走りに迷いはなく、自分の形に持ち込んで押し切りを目指す。張野はスピードが上がっての勝負が得意。中野智公の援護も頼もしいし、十八番のまくりで台頭するか。
 東勢は磯川勝裕の追加参戦でにわかに活気づく。磯川は6月函館の準Vから気配が一変。“しっかり力を出し切れている”と続く7月立川で1・2班戦初優勝し、その後も好走が続いている。関東同士で原田泰志、東日本での連係で千澤大輔、石塚孝幸らの加勢も得られれば、持ち味の積極策で別線完封は十分だろう。
 井上嵩、吉川希望を擁する中部勢にも警戒したい。7月名古屋を制している地元井上のカマシ、まくりに、好調が続く吉川の早仕掛けは近畿勢や磯川を脅かすレベルだ。

 佐山は、“7月大垣の失格で気持ちが入った”と続く同月向日町で近畿別線だった大石崇、中村一を完封して1・2班戦初Vを達成。その後も好走を続けている。前走の9月大垣ミッドナイトでも3日間先行で勝負。勝ち星は準決のみだったが、初日特選、決勝とマークした木村直の勝利に貢献しており、自分のレースを貫いて別線に好きな競走はさせていない。元々、ジムで身体を鍛えている時に師匠の黒川茂高、渉兄弟と知り合って競輪選手を志したというだけあって、似たタイプのパワーレーサー。33歳と年はいっているが、押さえ先行から踏み上げていく競走で勝負している。“脚は軽かったが、もう少し踏み直せれば”と前走を振り返っていたが、ここはしっかり修正して押し切りなるか。

 チャレンジは中部、近畿の2地区あっせん。近畿勢の方が機動型、マーク陣ともに戦力は充実していて、最終的に小松原正登、安藤直希の新人2人の力比べとなりそう。本命に推す小松原は、デビューからまだ優勝こそ果たせていないが、4戦すべて決勝の乗って確定板入りしており、そろそろ初Vという期待が高まる。在所順位52位と養成所時代は目立たない存在だったことを考えれば順調すぎるほどだ。脇本雄太の弟子で、脇本が福井に戻ってくるまではと今は市田佳寿浩氏のもとに預けられて野原雅也、小森貴大、脇本勇希らが練習仲間と恵まれた環境で順調に力を伸ばしている。種目によっては野原や小森に負けていない数字も出せるくらい非凡な能力を持つ。イメージ通りに落ち着いてレースは出来るようになってきたと話しており、ここも流れに乗っての一撃で決着を付ける。

権田浩一記者

2020年9月21日 20時47分

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