阿部拓真のタテ攻撃が中心 ~宇都宮ミッドナイト~
本日10月31日初日の宇都宮ミッドナイトは、A級では力が違う阿部拓真を中心視する。失格3回の影響もあって降級となってしまったが、前期まで2年間S級1班で走っていた選手だ。今期は10月小田原までに5Vを達成。持ち味の俊敏な立ち回りと、まくり主体のタテ脚で抜群の安定感を誇っている。S級レベルの脚を持つ若手機動型との対戦では厳しい局面もあるが、今回のメンバーならまず負けまい。6月函館で半年間の長期欠場から復帰した栗林巧は、3戦目の7月青森で完全V。その後も堅実に優出し、復調をアピールしている。阿部のトリッキーな動きにも付け切ってワンツーを決められるか。
小林則之、山田和巧の南関勢も要注意。小林も好位確保から自力を出して随所に連対を果たしている。10月伊東では青野将の番手回りながら、佐々木悠の特進を阻止するVを飾っている。しっかりレースを組み立てて北日本勢に対抗する。
ようやく怪我する前の状態に戻ってきた土屋壮登が軸の関東勢も虎視眈々と一発を狙う。
来期はまたS級に復帰する阿部が今期6V目を決めてきそう。昨年後期は落車、失格の連続で17年後期以来の降級となってしまったが、ここまで5Vと降級後はさすがに格の違いを見せている。上がり11秒1のまくりで後続を千切って優勝した8月青森の走りなどまさに圧巻の強さだった。落車続きで落としていた状態が、開催中止が続いていた間にリセットできて、状態上向きでA級戦に臨めたことが大きい。“(最近は)勝ち切れていないが、動いての結果なので。感触自体はいい。7車立てはしっかり自分で動いていかないと”。ヨコの動きも得意だが、出脚鋭いタテ攻撃が一番の売り。直近の10月小田原の準決では逃げ切っている。ここも俊敏な立ち回りで流れに乗っていってから一撃を放って決着を付ける。
チャレンジは、北日本、関東、南関の3地区に加えて、中四国、九州の3地区からも選手が参加する開催。太田龍希、和泉尚吾と、動きが良化してきた片桐善也の117期勢に、島村匠らも加わっての混戦模様のシリーズだ。本命は太田だろう。ここまで優勝こそ7月当所ミッドナイトの1回しかないが、本格デビュー後は7場所でV1、準V3回、決勝3着1回。確定板を外したのは現2班の土生敦と対戦した8月松阪ミッドナイトの決勝のみと非常に安定した戦績を残している。“思ったよりは走れている。自分の走りはできている”と本人も手応えを感じている。養成所時代には能力評価で2回Aを獲得しているように持っているスピードは一級品。決まり手はまくりがやや多いが、父の真一(75期)の教えを守って“力を出し切るレース”を心掛けている。好印象の走路だし、今回は持ち前の地脚を生かした積極策で結果を出すか。
2020年10月31日 12時44分
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選手詳細データ
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阿部拓真 選手宮城・107期
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太田龍希 選手埼玉・117期