【コラム】師匠の助言が心を動かす ~富山競輪場~

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阿部拓真
連勝で勝ち上がり笑顔を見せる阿部拓真選手
初弟子を取り責任感が芽生えた

 7月23日(金)から富山競輪場を舞台に行われている『瑞峰立山賞争奪戦』が行われている。

 阿部拓真(107期・宮城)が一次予選、二次予選と、連勝を決めて準決勝への切符を手にした。躍進のきっかけは、街道中心の練習からバンク中心に変え、スピード競輪に対応するべく、練習メニュ-に工夫をこらしていることなのだが、もう一つの理由は別のところにもあった。

 「自分もなんですけど、今まで仙台商業の出身で競輪選手を目指すってなったら自然と荻原(尚人)さんが面倒を見るっていう流れだったんですよ。でも『今回はお前が見ろ』って言われたので、初めて弟子を取るって決めて119期の木村君(佑来)を自分が見ることになりました。兄弟子の(櫻井)正孝さんは『自分から見たい』って言って受け持つようになったんですけど、自分はまだ弟子を取るレベルじゃないって思っていたんです。でも師匠は、自分にはそういう責任感とかが足りないって感じていたんだと思います。木村君はそもそも自分が弟子に取る前から強かったので、自分が育てているっていう感じじゃなくて、もう育っているって感じなんですけどね(苦笑)。それでもやっぱり弟子を取ると、自分もしっかりしないといけないって思うようになって、練習でも(木村が)強いので育てるっていうより負けたくないって気持ちもさらに強くなりました。練習はスピードを強化していますけど、レースはそれだけじゃ勝てない。隙間産業で何でもやっていかないと。調子自体も上がってきているので準決勝も頑張りたい」

 師匠(荻原尚人・89期)の的確なアドバイスから弟子を取り、狙い通りに責任が芽生えた阿部。今は、さらなる高みを目指しており、決勝をかけて強豪と激突する3日目以降も目が離せない。 

細川和輝記者

2021年7月24日 14時21分

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