仕切り直す伊藤旭 ~名古屋ミッドナイト~

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伊藤旭
新年特進を目指して再スタートだ
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坂口楓華
悪い流れは断ち、ここから巻き返す

 1月18日から名古屋ミッドナイトが開幕する。S級特進をかけた1月久留米は122着の伊藤旭。仕切り直しとなったが、最近の成績から中心は動かない。9月に特班して1・2班戦を8場所走って4V、準V3回、23走して落車した1走を除いて全く連を外していない。持ち味のダッシュを生かした自力攻撃で別線を沈黙させる。
 昨年後期のS級では大きな数字も目立った奥村諭志だが、一方で12月広島記念で2連対など随所でヒットも飛ばしていた。降級初戦の1月小倉ミッドナイトは準決敗退に終わったが、新鋭・青柳靖と真っ向からモガき合いを演じ、番手が離れる不運がなければと思わせる内容だった。今度こそ新鋭を止めるか。
 石口慶多、山本巨樹、高間悠平とそろった近畿勢も軽視はできない。軸になる山本のタテ攻撃の鋭さは、降級初戦の1月奈良ミッドナイト112着でも存分に発揮されていた。
 中部勢は、泉谷元樹、高橋成英の地元勢の機動型や坂上樹大らで対抗するが、分の悪さは否定できない。

 伊藤は、すでにA級に止まっているレベルの選手ではない。9月にチャレンジを卒業すると、1・2班戦初戦は準決で落車してしまったものの、その後の勢いは驚異的だ。現S級の岩谷拓を先まくりでギリギリまで苦しめて優勝を分け合った11月武雄ミッドナイトを含めて8戦で4V、準V3回で勝ち上がりを含めて1回しか連を外していない。最初の特進チャンスとなった1月久留米は“正直仕上がってなくて調子が悪かった”と122着だったが、敗因は分かっているだけにすぐに切り替えていけそう。“落ち着いて走れているが、小さいレースが多いので内容重視でいきたい。ダッシュタイプなのでそこを生かした走りをしたい”。練習仲間の松岡辰泰がS級に特進をしているだけに、負けていられない。まずここを3連勝して特進挑戦への足掛かりとしたい。

 ガールズはやや混戦ムードながら坂口楓華が一歩リードか。昨年は驚異の8連覇を含む10Vと飛躍の一年となった。グランプリ出場まであと一歩まで迫ったが、そこでグランプリ級の選手との力差を見せられて、今年はその差を埋めていくのがテーマとなる。新年初戦だった1月取手のコレクショントライアルはいきなりつまずいたが、しっかり練習もできているし体調にも問題ないのなら、ここは是が非でも勝って引きずらないようにしたい。“自分を信じて力を出し切る”はグランプリ級の選手が相手のレースだけに限ったことではない。先行も苦にしない機動力を持ち、相手や流れに応じて柔軟にレースを組み立てていくスタイルに変わりはない。ここは中途半端にならないように厳しく攻めて結果を求める。
 そろった地元勢が坂口の相手だが、中でも注目は新鋭・永禮美瑠だろう。10月和歌山の初優勝でつかんだ自信は大きく、取手のコレクショントライアルでは前々の攻めが奏功し、予選1、2で坂口を2タテして2、3着で決勝に進出するヒットを飛ばした。再び旋風を巻き起こすか。

権田浩一記者

2021年1月18日 00時07分

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