主力が分散して大混戦 ~前橋ミッドナイト~

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岸澤賢太
格上の存在感を発揮
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鈴木玄人
連続完全Vに闘志満々

 2月13日からの前橋ミッドナイトは各地区に強豪がそろって激戦模様。難しいが、格上の岸澤賢太に、和田禎嗣、地元の甲斐康昭、佐藤学らの関東勢を重視したい。デビュー直後の07年後期以来のA級となった岸澤だが、昨年も11勝をマークしていたように脚は落ちていない。まだA級のレースをつかんでいる段階で優勝は果たせていないが、降級してから一度も決勝を外していないあたりはさすがの貫禄。自力基本に何でも出来る強みを発揮して、混戦を断つ。
 松坂侑亮、高橋隆太らの南関勢からの狙いも面白い。前橋は初出走の松坂だが、短走路は何度も経験しているし得意。12月松戸では単騎戦ながら流れに乗っての豪快なまくりで後続を千切って優勝もしている。直近の2月平塚も前S級の伊東翔の逃げを6番手からまくってVと好調を保っているだけに、先行でもまくりでもタイミングを逃さずにいければ勝てそう。
 小笠原光、佐藤愼太郎らの北勢も見逃せない。小笠原は1月末に当所を走ったばかりで、決勝は逃げて2着に粘り、佐々木堅のVに貢献している。好印象の走路で再びヒットを飛ばすか。

 降級になったとはいえ、昨年のS級では自力でコンスタントに勝っていた岸澤。“A級のレベルの高さに驚いたが、体は動いているし、脚の状態は悪くない”。1走目京王閣の準決は地元の鈴木謙を連れての先行策で2着。2走目の久留米の準決は前田義を快速まくりで一蹴。そして、直近の大宮の準決は突っ張り先行で逃げ切り勝ちと格の違いを存分に見せ付けている。脚もあるが、レースの組み立ての上手さも貫禄を感じさせるところ。“来期はまたS級で走れるので”と高いモチベーションを保っており、援軍がそろう今回は老練な走りで若手機動型を手玉にとるか。

 チャレンジは、ここまで4Vの道場晃規が追加参戦してきて主役を務めていきそうだが、鈴木玄人に注目してみたい。レベルの高い117期の東京勢の一員。18年全日本大学対抗のケイリンで優勝の実績を引っ提げて競輪界入りを果たした逸材だ。先行にこだわった組み立てで在所順位は下位だったが、デビュー後は着実に頭角を現していき、1月静岡では2度目のVを3連勝で決めている。「今は無理くり先行しようとかは考えていないけど、新人らしくしっかり自力を出そうとは思って走っています。師匠が山崎充央さんなので、立川の大宮道場で良い環境で練習できています。若手中心で、毎日しっかりメニューに取り組んで、その後に自分達で足りない部分を補えるように練習しています」。同門の山本勝がすでに2班へ特班しているだけに、ここはレース内容だけでなく、結果も追及。連続完全Vを決めたい。

権田浩一記者

2021年2月12日 13時34分

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