オールスター競輪を制した古性優作が登場 ~富山競輪場~

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古性優作
今節も高度なテクニックでファンを釘づけにする
アップ終了まで残り5分での閃き、確信へと変わった選手紹介

 8月29日から富山競輪場を舞台に開設73周年記念『瑞峰立山賞争奪戦』が行われる。自身2度目となるオールスター競輪制覇を成し遂げた古性優作(大阪・100期)がシリーズをけん引する。同大会で決勝3着となった新山響平と山口拳矢を加えらS班3名がシリーズを盛り上げる。

 ファン投票1位でのオールスター競輪優勝はレジェンド・神山雄一郎以来の快挙達成で、ファン投票1位の期待に応えての優勝は喜びもひとしおだ。
 「自分は華がある選手ではない」と言い切る古性優作。「脇本さんみたいに力でねじ伏せるわけでもない」とスピード化の進む中で、自身のタテ脚に物足りなさを感じているが、ここ最近はSNS等で古性優作の切り抜き動画が拡散され、バズっている。それだけファンも古性優作の高度なテクニックに注目し、期待してレースに熱い視線を注いでいる。
 「自分の力を五角形にしたら、どうしてもタテ脚の部分が足りない。もっと脇本さんたちみたいな走りで勝てたらいいんですけど。でもそうやって細かい動きだったり、技術的な部分を評価していただけて(ファン投票1位に)選ばれたことは、ほんまにうれしいですね。そういう部分もしっかり見てくれているんだなって。うれしいっすね」

 オールスターの決勝ももちろん、さすがの走りだった。残り2周で押さえて冷静にピッチを刻む新山響平。脚を使って中団を取り、佐藤慎太郎のブロックを乗り越えた窓場千加頼も強かったが、誰よりも冷静に周りの状況を判断しながら自信を持って外を踏み込んだ古性優作の強さは別格だった。
  「あの時は全部見えていましたね。後ろからまくってきた松井君。連日の走りを見ていたら、いつ飛んできてもおかしくなかった。もし勢いよくきていたらしっかり外を張って。その時に郡司さんに入ってきても対処できるように確認しながら。慎太郎さんの動きも含めて。最後は(窓場の)内を踏んでも良かったんですけど、外を踏んでも届く感覚はあったので」
 
 シリーズ初日から「今回は体の使い方が良くないっすね」と日々、口にしていた古性優作。レース後は何度もVTRで自身の動きを確認しながら決勝までに軌道修正していった。
  「正直、初日の感じなら千加頼に千切れていたと思いますし、準決勝までの自分だったら抜けていなかったと思います。千加頼も抜けず、たぶん逃げた新山君も抜けていないので良くて3、悪くて4着だったと思います。でも当日のアップがそろそろ終わりにしないとなっていう5分前に閃いて。左の股関節のインナー(マッスル)の使いかたですね。こうやったらいいんちゃうかなっていうのが閃いて。選手紹介で試してみていけそうな感覚はありました」

 常に自分の体と向き合い、現状に満足することなく体の使い方を突き詰めてきた古性優作だからなせた業であることは間違いないだろう。
 富山参戦は昨年の全プロ記念競輪以来となる古性優作。スーパープロピストレーサー賞を制したときに自転車に後ろ向きでまたがって、逆さ乗りで表彰式に登場してファンを沸かている。今シリーズはどんなテクニックでファンを魅了してくれるのか初日から目が離せない。
 

細川和輝記者

2024年8月28日 15時50分

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