【コラム】復調の道を探る簗田一輝 ~富山競輪場~

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簗田一輝
引き締まった体と抜群のキレで二次予選突破へ集中する
どん底を脱して再び輝きを取り戻す

 7月23日(金)から富山競輪場を舞台に行われている『瑞峰立山賞争奪戦』に参戦した簗田一輝(107期・静岡)。初日9レースは中団をしっかりと確保するが、別線の仕掛けに被ってしまい苦しい展開になる。しかし抜群の嗅覚と勝負勘を生かして直線で中をシャープに伸びて一次予選を2着で突破。明日の二次予選では準決勝進出へ目の色を変える。

 「中団を取った所までは良かったんですけど、被ってしまうのは予想外でした。稲毛さんが構えるか、行ってしまったら次にどうするかって考えていたので。最後は自分だけになってしまい申し訳ないですね。でも少しずつ体が戻ってきているし、脚力も戻ってきている。9車立ても、もつれる展開も好き。二次予選はもう少しいいレースがしたい」

 昨年は相次ぐ落車で調子を崩していたが、5月の青森で1年7カ月ぶりとなる復活のV。グレード戦線でも持ち前のガッツで道を切り開く。
 「大きなケガはなかったんですけど、とにかく落車が多くて…。去年12月の平塚の落車が一番ききましたね・・・。去年くらいから喘息にもなって。運動誘発性喘息っていうみたいで、苦しい時期が長かった。3か月くらい前に自分なりにどうしたらいいかをネットとかいろいろと探して、MEC食が喘息にいいっていうのを見つけて始めた。MEC食ってノルマがあって、ミートのM、エッグのE、チーズのCなんですけど、一日に肉200グラム、卵を3個、チーズを120グラム以上食べるっていうやつで、炭水化物を制限してMEC食に変えてから徐々に体調も良くなってきた。体も12キロくらい絞れてキレが出てきましたね。自転車の進みも良くなってきているのでまた上で戦いたい」

 簗田は不調に陥った時も心は折れることなく、運動誘発性喘息というピンチをチャンスに変えるべく、もがいている。タテへ、ヨコへと、いざとなれば斜めにでも切り込む柔軟性を生かした立ち回りで昨年12月静岡記念以来となるG3準決勝進出へ二次予選に挑む。

細川和輝記者

2021年7月23日 15時34分

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