中川誠一郎が1着スタート ~久留米競輪場~

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中川誠一郎
“希望”に挟まれてニッコリ
3年後に熊本競輪が再開

 久留米競輪場で始まった熊本競輪開設71周年記念「火の国杯争奪戦(G3)」in久留米は、10月7日に初日が行われた。メインの特選では、九州ラインの先頭を務めた北津留翼がハイペースの先行策。番手の中川誠一郎(熊本・85期・S1)が、最終2コーナーから自力に転じてまくり上げ、平原康多、脇本雄太、佐藤慎太郎、松浦悠士のS班4人を退けた。
 「いい勝負ができたんでホッとした。あれを(脇本に)軽くいかれたら、希望が消えそうになる」と、胸をなで下ろした中川は、地元記念で幸先のいいスタートを切った。中川にとって“希望”はしっかりとみえている。16年4月の熊本地震でホームバンクの熊本競輪場も甚大な被害を受けた。その後は開催休止を余儀なくされ、久留米での熊本記念も今シリーズで6回目。その熊本競輪場が24年度に再開されることが発表された。ホームでの地元記念を心の底から待ち望んでいた中川が、3年後を見据えて目を輝かせる。
 「熊本記念は希望しかないですね」
 久留米で行われた過去5度の熊本記念では16、18、19年と3度の制覇。地元の大黒柱として、年に一度の負けられない舞台だ。
 「僕のなかでは、ここは絶対に1年で一番仕上げてこないといけないので、いまできる限りのことは全部やってきた」
 初日特選を制して弾みをつけた中川の2日目(10月8日)の二次予選は8レース。成長著しい上田尭弥とベテラン島田竜二と3人でラインを形成する。
 「中川さんとワンツーはあります。初日は弱さも出てダメなレースをしてしまったけど、その反省を生かしたい。中川さんだけじゃなくて、島田さんまで3人で勝ち上がれるようなレースをしたい」と、上田は熊本3人での結束にボルテージを上げる。
 「(上田は)普段通り走ってくれれば」と、例によって後輩に圧をかけることなく淡々としたもの。それでもすでに地元スイッチが入っている中川は、二次予選を落とせないことを誰よりもわかっている。

竹内祥郎記者

2021年10月7日 20時31分

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