• 松戸GⅠ9/19〜9/23

オールスター競輪

し烈を極める頂上決戦

新田祐大

新田祐大

武田豊樹

武田豊樹

深谷知広

深谷知広

村上義弘

村上義弘

海老根恵太

海老根恵太

  •  第58回オールスター競輪が9月19日~23日の5日間、松戸競輪場で開催される。ファン投票で選ばれた輪界を代表する超一流のスター選手が短走路を舞台に、究極のスピードバトルを繰り広げる。なお、2日目にガールズケイリンコレクション松戸ステージが単発レースで行われる。

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インタビュー

  • 深谷
  • 知広
  • ファンの思いを力に変えて

  •  乱高下…。左鎖骨の骨折に見舞われた昨年9月のオールスターから1年。パフォーマンスの安定しない日々との葛藤が続いている。優勝は昨年の地元記念から1年以上遠ざかり、賞金ランクは17位(9月3日現在)。しかしながら、もがき苦しんでいる深谷の復活を多くのファンが待ち望み、ファン投票ではその思いが深谷を堂々の1位に押し上げた。
     「今の成績で1位に選んでいただたことには、ビックリしています」
     8月未勝利に終わった豊橋記念だったが、好調時のフレームに戻した3日目以降は、爆発的なスピードを作り出した。「あれができれば無敵ですよね」と、金子貴志に言わしめた決勝は圧巻の先行策を披露。上昇を予感させるには十分だったが、続くサマーナイトFで2度のシンガリ負けを喫した。
     「このあとにオールスターがあるんで、(調子を)徐々に把握していかないと。松戸は成績も悪くないんで」
     舞台の松戸は昨年サマーナイトFを制覇し、12年の記念でも準V。相性のいいバンクで、途中欠場を余儀なくされた昨年の雪辱を果たしファンへ恩返しをする。

  • 稲川
  • ラインの力が、自分の力に

  •  昨年、初戴冠を遂げたあとは落車での怪我に悩まされたが、弱音を吐くことは一切なかった。初めてのドリームに選出された今シリーズも、あっ旋しない処置で出場のかなわない村上博幸(ファン投票9位)を気遣いながら、静かに口を開く。
     「博幸さんが出られないのは残念ですね。自分は(ファン投票で)選んでいただいたからには、いいレースができるように」
     近況も7月の寬仁親王牌に続いて、福井記念でも落車のアクシデントに見舞われた。
     「小田原も問題なく乗れてました。怪我を負けた時の言い訳にしたらいけないんで」
     小田原記念は二次予選敗退も、その後は人気に応えて連勝。ファンを安心させた。
     「近畿の選手はみんなしっかりしてるんで、自分も弱みを見せたり、言い訳はできない。ひとりでは勝てないし、近畿はライン(の力)で勝つレース。ラインの競走でしっかりとやるのが自分の勝つ道だし、1着に一番近いと思っている」
     「あの時は慣れないイン粘りでした」と、松戸でのS級初Vを振り返りニヤリと笑う稲川が、今度は近畿ラインの役割を全うして優勝をつかみ取る。

  • 村上
  • 義弘
  • 数字に表せない魅力

  •  「なにが評価をされているのか。自分の中でしっかりともう一回確認しながら、そういうレースができるように走りたい」
     ファンの思いをバンクで体現するために、村上は普段にも増してその重みを一身に受け止めオールスターを見据える。
     「春ごろから状態が良くなかった。(ヒザの)痛みも一時期は酷くて、体が勝手に全力で踏むことを避けているという感じがあった。それでも踏み切ってしまおうと、踏んでいる時は思っているんですけど」
     シリーズ前にこう言っていたサマーナイトFを562着。完調でないなか泥臭く戦い抜く姿はファンの目にどう映っただろう。
     「この状態の中でもやれることはやれているし、ひとつかみ合えば大丈夫だと思う。自分は苦しい時も、ファンに支えられてきた。見ている人には、数字には出ない部分を見てもらいたいし、競輪のそういうところに僕自身も魅せられてきた」
     “数字に出ない部分”。それこそがファンを惹きつけてやまない村上の魅力でもあろう。03年以来2度目のオールスターVへ満身創痍で突き進む。

  • 武田
  • 豊樹
  • 後半戦へ集中力取り戻す

  •  グランプリを制し、対戦相手の警戒心がより一層強くなるなかで、今年も武田は安定した成績を残している。6月高松宮記念杯を優勝、そして7月寬仁親王牌でも決勝に進出した。「平原(康多)がいなかったけど、しっかり決勝に乗りたかった。乗ったら勝つことを考えたけど力不足。相手が強かった」。勝った園田匠を称えつつ、こうシリーズを振り返っていたが、見えない形で疲労は蓄積していたのだろう。続く四日市記念はめずらしく苦戦を強いられた。
     「周りは僕を意識してくる。苦しいけど、脚力を上げていくしかないですね。特別の決勝に乗ったからって、次も勝てる訳ではないから」
     函館サマーナイトの落車は幸い軽傷だったようだ。グランプリ優勝という大きな目標を達成し、「集中できてない」と課題を話すが、もう年末へのカウントダウンは始まっている。オールスターは過去に2度の優勝実績がある相性のいい大会、そして平原も帰ってくる。再び集中力、コンディションを高めて、後半戦最大のG1戦に挑む。

  • 稲垣
  • 裕之
  • 宮杯の教訓を生かす

  •  脇本雄太のハコから番手まくり。完璧なお膳立てを受けるも、武田豊樹に交わされ準優勝に終わるった高松宮記念杯の悔しさをバネに「獲れなかったことであれからずっと考えて、課題を立ててトレーニングを積んできた」とG1に懸ける思いはより一層強まった。親王牌は二次予選で失格を喫し、また、その後は手足口病を発症して体調を崩したが、「サマーナイトで一走ごとに力の出し方を思い出してきたし、日に日に振り絞れるようになった」と状態は良化。「小田原記念、立川F1と今は走って戻していく予定です。病気をした以外は順調にきてるし、一走ごとに感覚を取り戻していきたい」。
     悔し涙を流した全日本選抜、前記した宮杯と、引き立て役はもう御免だ。悲願の初Vは目前。残り2戦は「全力で獲りにいく!」と意気込む。「選手になってG1は絶対目標なので。周りは皆強いけど、一番大事な気持ちを入れて。宮杯の反省、教訓をオールスターに生かしたい」

  • 神山
  • 雄一郎
  • 最年長V記録更新に挑む

  •  数々の偉業を成し遂げてきた競輪界のレジェンドは47歳を迎えた今もなお進化を続けている。今年4月の共同通信社杯を制覇。ビッグ優勝の最年長記録を更新した。
     「一戦、一戦自分の求めている形のレースを追求していくだけで、その中で結果が出てくれれば最高なんで。これからもそういう気持ちで一戦、一戦続けていきたいですね」
     8月富山記念は最終日に落車。直後の函館サマーナイトフェスティバルは647着と精彩を欠いた。
     「怪我は腰の打撲。それから3日しかなくてケアだけだったし、サマーナイトは落車の影響がありました。函館を走ってみて、とくに修正点はなかったけど、まずは怪我を治すことが大事ですからね。日に日に良くはなっているし、体の方は大丈夫です」
     現在、賞金ランキング6位でグランプリ出場圏内にいる神山にとっては一戦一戦が勝負。過去5回の優勝を誇る相性のいい大会で最年長V記録の更新に挑む。

  • 平原
  • 康多
  • 不安は一切なく早く走りたい

  •  7月に練習中に落車し、右手首を骨折。不意の事故で同月の寬仁親王牌、さらに8月のサマーナイトまで欠場を余儀なくされる。今年前半の活躍ぶりから急転、最悪の状況に周囲は不安一色も、「早く走りたくてウズウズしてるくらいです」と本人は至って元気だ。「サマーナイトは間に合わなかったけど、練習ではもう全力でモガけるようになったし、ウエイトもできるようになった。もともと脚自体は全く影響ないので」。
     青森記念で復帰を予定し、「練習は良いけど、勝ち負けとなるとまだ少し。記念だって相手は強いんで。近日中に判断したいと思ってます」と話していた平原。予定通り青森記念を一本走ってから本番を迎えることとなった。「怪我明けだとか、レース勘の不安とか感じたことは全くないので」と本番に向けても問題なし。「本番までに上積めるし、完全に戻ると思う。今まで100%で走れたことはそんなにないけど(笑)。その分はいつも通り気持ちでカバーして。とにかく、優勝争いできるだけの体作りをしてきます」

  • 原田
  • 研太朗
  • ビッグでも戦える手ごたえ

  •  今年の原田は勢いが違う。「自分でもびっくり。ギア規制が大きかったですね」と話すようにダービーでビッグ初優出を決めると、共同通信社杯、サマーナイトフェスティバルでも優出。その活躍が評価され、オールスターは2年連続でオリオン賞スタートとなった。
     「去年も選んでもらったけど、自粛組がいなかった。今年はみんないるなかで選んでもらえて、ありがたいかぎりですね。嬉しいです」
     ダービー、共同通信社杯の決勝は大敗したが、サマーナイトでは逃げて5着。「まだ上位との差はあるけど、サマーナイトは最後まで先頭でいられた。手ごたえがあった」。大舞台でも徐々に結果を出せるようになってきた。現在の賞金ランクも16位に付け、オールスター、競輪祭の結果次第ではもっと大きな舞台も見えてくる。「高望みしすぎてもダメなんで普段どおり。決勝目指して頑張りたい」。8月防府から使う新車の感じも良好。現状の安定感に、ここ一番の爆発力をプラスできれば頂点も夢じゃない。

  • 新田
  • 祐大
  • 初のドリームスタート

  •  今年は3月京王閣ダービーで悲願のG1初優勝(4日制以上)。「その後のレースも期待に応える走りをしたい」。そう意気込んで高松宮記念杯、寬仁親王牌に臨んだが、2つ目のタイトルはならず。決勝に進出した寬仁親王牌ではライン4車ということもあり、別線の徹底マークにあった。
     「警戒されるのはしょうがない部分がある。でも、それを乗り越えて初めて一番。毎レース勝ち方を考えないと」
     これは勝つことを求められ、自らも勝ちを意識する新田にとって、越えなければいけないひとつの壁になるだろう。
     オールスターは7度目の参戦にして初めてのドリームレースからのスタート。「ファンが喜ぶレースができることが(票に)つながる。そこを理解したつもり」。そのスピードはファンの心をがっちりとつかもうとしている。青森記念のあとは本番直前までナショナルチームの合宿が入っているが「不安はない」とキッパリ。「年頭の目標にしてるレースのひとつ」と話すオールスターで勝ち取るレースに徹する。

  • 浅井
  • 康太
  • 自分のスタイルを出していく

  •  7月四日市記念を優勝し、地元記念3連覇。寬仁親王牌の落車を感じさせない4日間だったが、「背中の擦過傷がひどくて、終わってからは体がボロボロだった」と続く富山記念を欠場した。治療に専念し、体調を戻して臨んだサマーナイトフェスティバル。初日は武田豊樹、新田祐大らを相手にまくり快勝。「タイムは悪いけど」と、しながらもオールスターへ向けて順調な仕上がりをアピールした。
     「武田さんの上をいけたし、脚を使ってからのまくりは自信になりますね。あとは一発のタイムが出れば上でも戦えるんじゃないですか」
     今回で4年連続のドリームレース選出となる。「脇役でいい」と普段から公言している浅井だが、今年も全日本選抜、ダービーと立て続けに表彰台に上がり、グランプリはほぼ当確。狙うは2つ目のタイトルか。
     「ファンは僕のスタイルを認めてくれてるし、そこを出していきたい。深谷、金子さんをグランプリに乗せたいんでね。そのためにもいいレースがしたい」

  • 岩津
  • 裕介
  • 自分の走りで上を目指す

  •  2年連続でのドリームレースからのスタートを素直に喜んだ。
     「嬉しいです。SSで選んでもらっている結果だと思いますけど、普段の走りを評価してもらってるんだと思います」
     今年2場所目の1月平記念を制覇と幸先良くスタートを切ると、その後の記念もすべて優参。ビッグ制覇こそないものの、S級S班としての存在感も日ごとに増している。
     「常に上を目指して、一つでも上を。結果はなかなか思うようにはならないけど、準備はしています。去年は前半の半年間で体を壊して、後半はなんとか走ってという感じだったんで。去年の前半より破壊力はないですけど、その一歩手前をうろつくところまではきています」
     サマーナイトで決勝4着、続く小田原記念では決勝3着と後半戦に入りギアも一段とアップしている。いぶし銀の輝きをここからも放つ。
     「自分の走りを少しでもして。不安はあるんですけど、不安をなくして課題を見つけて。オールスターまでに自分のレベルを上げていければ良いです」

  • 渡邉
  • 一成
  • 圧巻のスピードで魅了

  •  7月寬仁親王牌では3年ぶりのG1優出。決勝は新田祐と共倒れの6着に終わったが、G1タイトル獲得へ確かな手応えをつかんだ。
     「親王牌は4日間番手だったけど、自力で(優勝を)勝ち取る準備はできてるし、あとは脚力を発揮できるタイミングがあれば。これからも結果に一喜一憂せず、冷静によかったところと悪かったところを見極めたい」
     8月富山記念は1551着で準決勝敗退。続く函館サマーナイトフェスティバルも926着とその後は本来のパフォーマンスを発揮できていない。
     「オールスターの前に富山記念で33を走れたのは大きかった。短走路は踏み出すタイミングが早いですから。感触はつかめたけど悪すぎましたね。体調が悪くて、ペダリング、踏み返しがうまくいっていない。でも、これから涼しくなって体は動いてくると思うし、体調さえしっかり整えていければ」
     ナショナルチームで活躍する自慢のダッシュ、スピードを生かして頂点を狙う。

ガールズケイリンコレクション

勢い止まらない小林優

小林優香

小林優香

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