• 寛仁親王牌10/7〜10/10

寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント

熾烈を極める頂上決戦

新田祐大

新田祐大

平原康多

平原康多

浅井康太

浅井康太

村上義弘

村上義弘

園田匠

園田匠

  •  被災地支援第25回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GⅠ)が10月7日から4日間に渡って開催される。今年の舞台は6年ぶりとなるグリーンドーム前橋競輪場。松戸オールスター、富山の共同通信社杯に続き、今大会も短走路を舞台にトップスターがスピードバトルを繰り広げる。

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インタビュー

  • 新山
  • 響平
  • 経験値を得て更なる高みへ

  •  7月函館記念をデビュー最速で制覇した新山響平。しかし、優出が期待された地元の青森記念では、まさかの準決勝敗退と悔しい結果に終わった。
     「(青森記念の)準決は何もできずに後ろに迷惑をかけてしまって。体調面も整えられなかったし、脚もいい時に比べれば全然ダメでした。こういのを繰り返さないように」
     そして、気を引き締めて臨んだ共同杯。結果は一次予選で敗退も、後半に連勝を飾るなど再度リズムをつかみ出した。
     「コンディションは悪くないと思ったんですけど、初日から緊張はしてましたね。先輩からもアドバイスをもらえたし、ためになることばかりでした。最終日に先行もできて次につながりましたね」
     次はいよいよ初のG1となる親王牌。多くの経験を昇華させ、大舞台で暴れまわる。
     「いろいろ課題が見つかったし、練習で何をすればいいのかもわかってきました。みっちり乗り込んで次に向けて調整します」

  • 西村
  • 光太
  • 共同杯の勢いそのまま

  •  全プロエリミネーションで3位に入り、初のG1権利を獲得した。その後、7月函館で落車し腸閉塞を患って体重が10kg減少。調子を落としたが、「(9月)防府で一気に気持ちと体が噛み合った」と復調を実感。すると、先の共同杯ではビッグ初優出の大活躍。勢いそのまま初のG1へ乗り込む。
     「サマーナイトは場の雰囲気に飲まれてオドオドして終わってしまった。でもその経験を共同杯で生かせたと思う。決勝は(3番手を奪われて)テンパってしまったけど、次は緊張することなく走れると思います」
     自信を深めて次の舞台へ。ビッグファイナリストとして、ここで真価が問われる。
     「トップでも通用する脚はあると思うので。でも、まだまだ挑戦者なので、どこまで行けるか。病気の影響で満足な練習はできなかったけど、今は脚力を上げていく練習ができるようになったので。準決に乗りたいけど、競走で流れ込みだけはないように。前橋は1月に走って成績が良かったし得意なので。何とか爪あとを残したいですね」

  • 脇本
  • 雄太
  • 相性いい前橋でG1復帰

  •  初出場となったリオオリンピックを終えて、8月豊橋記念で開催されたケイリンエボリューションから実戦復帰した。とはいえ、エボリューションはカーボンフレームを使ってのもの、本当の復帰戦は直前の共同通信社杯といっていい。乗り慣れているはずの競輪用フレームだったが、初日から「全く別物みたい」。久々のレース、自転車の感覚に戸惑いをみせたが、終わってみればシリーズ3勝。もちろん修正点はあるだろうが、滑り出しはまずまずだ。
     2月全日本選抜を渡邉一成が、5月には中川誠一郎がダービーを制すなど、代表メンバーは今年次々とG1初タイトルに輝いた。しかし、「次は自分という意識はない。周りはそう言うけど、焦って獲りにいく感じじゃないし、自分のスタイルを貫いて獲るのが理想」。脇本に焦りはない。本番までには実戦の感覚も戻るはず。「これからは日本の競輪向きにしっかり仕上げて」。6年前にG1初出場で初優出した相性のいい前橋で注目のG1復帰戦を飾る。

  • 吉田
  • 拓矢
  • 悔しさをバネに2度目のG1

  •  「今回の悔しさをぶつけていきたい」新山響平とともに107期の先頭に立ち引っ張る吉田だが、共同通信社杯では自身の走り、特に「(脇本雄太と)スピードが違いすぎて巻き返せなかったです」と初日を反省した。
     「初日が悪かったぶん、残りの3日間は課題を見つけながら。(ビッグでは)ひとつのミスで崩れるんで、その辺をもっとしっかりしていきたいです。相手ラインとの駆け引きだったり、課題も見つかりました。この調整期間で修正していきたいです」
     9月岐阜記念から変えたギアは、共同通信社杯で引き続き手応えもあった。高松宮記念杯に続き、2度目のG1にも自然体で臨む。
     「(G1でも)いつもと変わらず臨みたいです。ギアは86のままいきます。感触は良いと思うので。親王杯の前には何人でやるとかは決まってないですけど、武田(豊樹)さんと前橋で一緒に練習をさせてもらえるので、しっかり勉強していきたいです」

  • 藤岡
  • 隆治
  • 初の舞台を今後に生かす

  •  5月全プロの4kmチームパーシュートで2位に入り、7月からのS級復帰を前にG1初出場を決めた。「G1出場が決まったし、レースで脚をつけていこう」。G1出場へ高まるモチベーションは攻めのレースにも表れているが、思うような結果を残せていないのがもどかしい。
     「積極的には動けてると思う。でも結果がともなってないので、力不足だなと思います。末脚が足りないなって。でもG1には点数や実力ではなかなか出られない。それが今回、全プロで運も味方して出られるようになった。その点はものすごく嬉しいです」
     周りはS級トップの選手ばかり。本番ではその実力者たちが、大きな壁となって藤岡の前に立ちはだかるだろう。それでもこの経験は藤岡にとって大きな財産となる。「今は漠然としてるけど、この経験は今後に生かされると思う。本番までにはもっと状態も上がると思うし、1回は確定板にのって帰りたい」。失うものはない。雰囲気に飲まれることなく、全力でぶつかるだけだ。

  • 中川
  • 誠一郎
  • 自分の力を出せる形へ

  •  5月全プロのスプリントで4連覇。今年も理事長杯からのスタートとなった。
     「競技の結果でシード権が取れるんで良い位置で走らせてもらってますね。4年連続で理事長杯からのスタートですし、一番チャンスの大きいG1です」
     今年は4月に地元熊本で大震災があり、その後は5月静岡ダービーでG1初制覇。8月にはリオ五輪と怒涛の日々を過ごす。
     「震災直後は慌ただしかったし、ダービーまではレースという感じではなかったです。でもダービーで(復興へ)負けてられないレースをしようと思ってたし、(声援も)力になりました。(リオ五輪は)自分の中では満足。力を出し切ったし、後悔はなかったです」
     共同通信社杯では3日目に白星でホッと一息も、再び激闘の世界へと戻る。
     「リオのあとは疲れとって、鉄に馴染むように練習しました。ロンドンのときは1勝するのに3場所かかったけど、今回は3走目。親王牌では今回よりもっとピリッとした走りを見せられるように。上積みがあると信じて」

  • 鈴木
  • 謙太郎
  • 大舞台で真価を発揮

  •  今年はここまでビッグ出場が3月の名古屋ダービーのみ。特別戦線での存在感は薄れつつあるが、F1シリーズを中心に活躍している。カマシ、まくりのスピードはトップレベルだ。
     「若い頃はその時の調子でレースでは体が勝手に反応する感じで、成績が良かったり悪かったりしたんですけど、最近はしっかり考えながら走ることができています。日々、成長できていると思うし、昔よりも今の方が安定感はありますね」
     5月伊東全プロのスプリントで3位。今大会は特選スタートの権利を手に入れた。ドームの高速バンクは脚質にも合っている。強豪を相手に持ち味を出し切る。
     「青森記念が終わって次の開催まで間隔が空くので、やりたい練習はできると思います。今は来年2月の取手の全日本選抜を目標にしてやっているんですが、その成果が早く出ればいいですね。親王牌は特選スタートなので頑張ります」

  • 加賀山
  • ステップUPへ絶好の機会

  •  全プロ1kmTTで3位表彰台入りし、念願のG1初出場を手にした。しかも、初のビッグで特選スタート。周りはスター選手ばかり。今から気持ちが逸る。
     「出られるのは光栄だし嬉しいですね。だた通用するかどうか。100点もないし。おそらく厳しいでしょうね」
     しかし、早坂秀悟、渡邉一成のナショナル組に次ぐ堂々の3位。純粋に脚力があるのは確かだ。
     「去年は4位で、全プロに出る前から今年は勝負できると思ってました。純粋に脚力はあると思うけど、競輪は技術も必要なので。考えてはいるけど、そこがなかなか難しいですね」
     状況は厳しいが、ここはステップアップできる絶好のチャンスだ。胸を借り、全力勝負でシリーズを戦い抜く。
     「得るものが多いのは間違いないので。レースだけでなく走ってないときも。寝ているとき以外全て。雰囲気も記念と違うだろうし。共同インタビューは今から不安ですね(笑)。やることをやって、初めてのG1をどう次に繋げるか。たくさん考えられるシリーズにしたい」

  • 早坂
  • 秀悟
  • 新田と走る理事長杯

  •  同期で年齢も同じ新田祐大とはじっこんの間柄。全プロ競技大会の1000mTTで新田は、3連覇を含む4度の優勝。今年は早坂が表彰台の真ん中に立ち、初めて理事長杯からのスタートを勝ち取った。
     「高校生から新田とはやってきた。その新田が理事長杯に乗っているのを何度も見てましたから。1000mは自分がやってきた種目でもあるし優勝は誇りに思っている」
     理事長杯の北日本勢は新田と2人。初のタッグとなる初日に熱い視線が注がれる。
     「新田とは1回一緒になったことがあるけど、その時は別線だった。今度は初めて新田とラインが組めると思う。新田だからこそ感慨深いものがありますね」
     勝負へ向け調整は順調。ナショナルチームでの練習も相まって過密スケジュールだが、大一番へしっかり照準を合わせている。
     「計画的に練習はできている。共同杯よりも親王牌の方が良くなってくると思うし、必ず仕上げていく。決勝に乗る強い気持ちでいます」
     輪界をリードする新田と走ったその先に、まだ見ぬ世界が待っている。

  • 雨谷
  • 一樹
  • 高速バンクで全開ダッシュ

  •  初のS級1班昇格を果たした今期は持ち味のダッシュを生かした攻めで奮闘している。後半戦だけでビッグレースに3度出場。9月富山の共同通信社杯は一次予選を3着で突破した。
     「中途半端なレースが多くて。力不足でした。でも、強い人と走れるだけでいい勉強になりました。今回は武田(豊樹)さんに『今の競走は長い距離をもがけないと。ダッシュはあるほうだから練習もしなくても』というようなアドバイスを頂きました。練習メニューも教えてもらったんで、親王牌までにやってみて成果が出ればなと思っています」
     5月伊東全プロのスプリントで準優勝。今大会は初日特選からスタートできる。
     「特選はすごいメンバーなので、かなり緊張すると思う。栃木で神山雄一郎さん、神山拓弥さんがいるので一緒のレースになるかもしれない。弱いなりにアピールできるように頑張ります」

  • 木暮
  • 安由
  • 地元の使命感を持って

  •  「成績は競輪人生で一番安定している。満足はしてませんけどね」
     その言葉通り、7月のサマーナイトフェスティバルから直近の共同通信社杯までは、21走をこなして着外はわずかに4度。3連対率は81%を誇っている。
     「自転車とのマッチングが大きい。最近は、あんまり(セッティングを)いじったりしてない。それに落車をしないことでかみ合ってきた。あとは結果を出すだけです」
     8月のオールスターでは一昨年の競輪祭以来のG1優出。決勝では平原康多、武田豊樹の後ろを回った。
     「やっぱり準決で後ろを回っていることが多いんで、そうなりますね。準決を自力でやって乗れれば、表彰台も見えてくるし。自力で勝てれば(G1を)獲れる時かなと」
     数年前は落車に祟られていたホームも、近況はF1を連続で完全V。期待に応えている。
     「群馬のお客さん、後輩も見てるんで結果を出さないと。茨城みたいに強い人が出てくれば、後輩もついてくる。(地元の)使命感が強くなった。まずは決勝、そこに乗らないと、優勝はないですから」

  • 松尾
  • 信太郎
  • 状態を上げて初のG1へ

  •  今年3月の豊橋でS級初Vを飾った松尾。5月伊東全プロはエリミネイションで2位。見事にG1初出場の権利を手に入れた。
     「G1初出場を決めるには全プロしかないと思って必死でした。G1を走れるのは本当に楽しみです」
     順風満帆から一転、そこから歯車が狂い始めた。7月四日市で落車。晴れ舞台を前に暗雲が立ち込めている。
     「全プロの前に競技の自転車にけっこう乗って練習したので、変な体の使い方、乗り方になってしまった。落車のケガも手の甲にひびが入ってしまって…。最近はいい頃の感覚と比べて全然違よくないですね」
     9月富山の共同通信社杯ではビッグ初出場。トップクラスの厚い壁に阻まれたが、貴重な経験を積んだ。
     「G1を前にビッグレースで上のクラスを体感できたのは大きいですね。親王牌はもっと状態を上げて少しでも上のレースを走れるように頑張ります」

推奨選手

  • 守澤
  • 太志
  •  Pick Up 1

  •  9月青森の災害復興支援レースは先制した箱田優の番手回りを生かして快勝。組み合わせ、展開に応じて多彩な戦法をうまく使い分けている。混戦になればなるほど真価を発揮する。

  • 神山
  • 拓弥
  •  Pick Up 2

  •  9月富山共同杯の二次予選Bは単騎で前団の混戦を豪快にまくって圧勝。落車のアクシデントがあったとはいえ、久々に自力の決まり手がついた。特選スタートで波に乗ると怖い。

  • 岡村
  •  Pick Up 3

  •  今年は6月別府でうれしい記念初制覇。その後も好調を持続。勢いは止まらない。9月青森記念の二次予選では中団まくりを決めるなど自力の脚も健在。番手戦も器用にこなせる。

  • 伊藤
  • 裕貴
  •  Pick Up 4

  •  成績の波は激しいものの、調子は確実に上向いている。9月富山共同杯の2日目特一般戦は番手まくりながらビッグ初勝利を挙げた。2度目のG1挑戦で持ち味をフルに発揮する。

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