熾烈を極める頂上決戦
今年の特別戦線も佳境に突入。今大会はタイトル争いはもちろん、年末の立川グランプリ出場をかけた賞金争いも見どころになる。シリーズをリードするのは新田祐大だろう。今年はここまで5つのG1ですべて優出。6月名古屋の高松宮記念杯で3度目のタイトルを獲得した。近況も充実一途。9月富山共同通信社杯はオール連対で決勝に進出している。ドームの高速バンクは新田にとって格好の舞台。輪界一のスピードでVへ一直線だ。早坂秀悟は5月伊東全プロの1㎞タイムトライアルを制覇。同期の新田と初日理事長杯からスタートできる。S班の山崎芳仁に、渡邉一成、佐藤慎太郎の3人は初日の特別選抜予選にエントリー。リオデジャネイロ五輪に出場した渡邉は共同杯から復帰。二次予選で敗退したが、敗者戦で2勝と競輪の感覚を取り戻した。
関東勢は地元地区のG1を他地区の選手に渡すわけにはいかない。平原康多、武田豊樹を中心に、強固なラインを形成する。平原は共同杯で3連勝の勝ち上がり。しかし、決勝で落車。ケガの状態は気がかりだが、強い気持ちで4日間を戦い抜く。武田は9月岐阜で今年初の記念優勝。共同杯は惜しくも決勝進出を逃したが、好調時の迫力が戻ってきた。今大会は初日の理事長杯から平原とタッグを組める。神山雄一郎は共同杯で準Vと好走。完全復調のきっかけをつかめた。力をつけた吉田拓矢が関東ラインをけん引。地元の木暮安由の走りも見逃せない。
中部勢も充実のラインナップ。浅井康太は最強のオールラウンダーとして各地で奮闘している。共同杯の決勝で失格した悔しさをここにぶつける。吉田敏洋も共同杯の一次予選で失格。それでも賞金ランキングで好位置につけており、初のグランプリ出場へ重要なシリーズになる。深谷知広は9月青森記念でV。続く共同杯は二次予選で敗退。成績の波は大きいが、仕掛けがはまれば久々のG1制覇も可能。竹内雄作は共同杯でビッグ初タイトルを手にした。これで賞金ランキングも7位までジャンプアップ。グランプリ初出場も視界に入った。
近畿勢は村上義弘を主軸に結束。稲垣裕之は悲願のG1初制覇へ全身全霊をかけて挑む。リオ五輪から復帰した脇本雄太、パワーアップした古性優作、山田久徳ら若手機動型が近畿勢を盛り上げる。
松戸オールスターを制した岩津裕介、復調した原田研太朗の中四国勢も軽視できない。九州勢も大会連覇を狙う園田匠に、前橋のバンクレコード保持者の中川誠一郎ら個性派ぞろいだ。