• 豊橋記念GⅢ8/6〜8/9

後記 GⅢ 豊橋 08/06

諸橋愛華麗な逆転V

諸橋愛

諸橋愛

 今シリーズを含め3場所連続の落車禍を乗り越えた9諸橋愛選手が、地元1金子貴志選手をシャープな差し脚で交わして優勝。通算3度目の記念制覇でファンの声援に応える。

 高松宮記念杯、寬仁親王牌と立て続きに落車に見舞われた諸橋は、シリーズ2日目にも落車の憂き目。3場所連続の落車がフィジカルに影響を及ぼさないはずもないが、それ以上に精神的な加重がのしかかった。
 「すべてを地元の寬仁親王牌に合わせてきていたし、寬仁親王牌は決勝に乗って初めてスタートだと思っていた。だから、終わったあとは不甲斐なさというか、人生はうまくいかないなって。苦しいことばかりだったんで勝ててよかったです」
 驚異の加速力で深谷が、別線を置き去りにして主導権を奪取。これで番手絶好の金子の優勝かに思われたが、不発の城から切り替えた諸橋が目の覚めるような伸びを披露。鮮やかな逆転劇で優勝をもぎ取った。
 「展開的には厳しかったけど、意外と冷静でした。俺が行こうかなってコースを岩津が入っていったんで自分は外を思い切り踏めた。金子さんは内の岩津を意識するし、それで僕は伸びました。ビクトリーロードが開いた。この優勝をまたひとつ上のステージ(G1、2)でできるようにしたい」
 リスキーながらも狙った獲物に向かって突っ込むスタイルこそが、諸橋の真骨頂。落車禍を抱えながらも、その身上に迷いはない。
 深谷の番手であくまで冷静に立ち回った金子だったが、誤算は諸橋の切れ味。上がり10秒9にはさすがの金子も脱帽するしかない。
 「佐川、吉本も見えていた。これなら(深谷とワンツーが)決まるなって思っていたし、最後に岩津が入ってきたのもわかった。そしたら、あっ誰だって…、諸橋でしたね。でも、あれはスピード違反でしょ(笑)」
 諸橋を追走した牛山が、外を踏んで3着に流れ込み。
 「城君も浮くのを覚悟で仕掛けてくれた。自分は諸橋さんの後輪だけ見ていた」
 「出させるつもりはなかったんですけど、気づいたらもうヨコにいました…」と、佐川は深谷との力差を痛感して振り返る。
 8番手で大きく車間を切った深谷が、次元の違うスピードで大ガマシ。最後は失速も復調への光が見えた。
 「結構(佐川が)流してたんで、チャンスだと思った。ただ、2歩目がスリップした。あれがなければもっとスッと出られましたね。練習みたいな感じで、掛かりは良かった」

Race Playback

レース展開1
諸橋愛選手

レース経過

誘導員 : 島野浩司

 号砲で別線の出方を確認しながら地元コンビが誘導員を追うと、周回は深谷―金子―城―諸橋―牛山―岡田―佐川―吉本―岩津の並び。
 青板3コーナー過ぎから佐川が早めにアクションを起こすが、中団の城も合わせて動く。佐川は赤板前から誘導員を下ろして前に出ると一度ペースをスローに。サッと8番手に下げた深谷の仕掛けは別線の思った以上に早く、打鐘前でもペースを上げない佐川を2コーナーからの仕掛けで一気に叩いてしまう。車間を詰めた勢いでバックから佐川が、2コーナーからは城が仕掛けるがともに不発。空いた内に吉本、岩津が同時に切り込み、その後ろに諸橋が続く。3番手単独になった岩津は愛知コンビの中を割りに行くが伸び切れず。その後ろから外を回した諸橋がゴール寸前で金子をとらえて4月川崎以来となる通算3度目の記念優勝を飾った。2着には金子、諸橋に続いた牛山が3着に食い込んだ。

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