地元コンビが強力
親王牌で落車した深谷知広の状態が未知数とはいえ、シリーズの中心は豊橋が誇る深谷、金子貴志の師弟コンビだ。深谷は復調途上での落車で心身ともに大きなダメージを負っているだろうが、地元のここで無様な走りは許されない。残された2週間で、どこまで状態を戻せるか。中部勢浮沈の鍵は深谷が握っている。金子は好調を維持している。6月別府記念では浅井康太のまくりをとらえて優勝。今年は序盤戦からずっとタテの脚は好調だ。深谷の状態に不安があっても、今の金子なら自力でも優勝を狙えるデキ。前でも番手でも3度目の地元記念を獲れる状態に仕上げてくるだろう。
平原康多、村上博幸が欠場となれば残るS級S班は岩津裕介のみ。今シリーズもスジの機動型は手薄で自分で活路を切り開いていくレースが増えそうだが、単騎戦も苦にしない俊敏な走りが岩津の持ち味だ。親王牌は二次予選で敗れたが後半戦2勝を挙げている。岩津にとっては親王牌の3日目にも連係した黒田淳が貴重な機動型となる。黒田はG1でも勝ち負けを争う力がある。ダッシュを生かす展開になれば上位進出もありそうだ。
ともに親王牌で優出した菊地圭尚、伏見俊昭の北日本コンビも侮れない。菊地は4月頃に膝を痛め、さらに全プロ後にはギックリ腰となかなか状態が上がらずにいたが、その影響もなくなり親王牌では本来の走りが戻っていた。伏見はダービーの落車以来、決勝進出もままならなかっただけに親王牌優出は自信になったはず。今の状態なら優勝争いにも加われそうだ。
九州勢は親王牌でタイトルホルダーの仲間入りを果たした園田匠が参戦する。ビッグ決勝の大舞台でも自分の持ち味が出せれば結果が出る。親王牌の走りは園田にとって大きな自信となったはずだ。吉本卓仁、菅原晃とスジの機動型も豊富。吉本はここ5場所でF1戦2Vと復調気配があり、菅原も事故点が消えて前々に攻めのレースが戻りそうだ。