新山響が激戦制す
すでにS級上位で活躍する選手が3人。近年まれに見るハイレベルな107回生頂上決戦は戦前から注目度が高かった。レースは大方の予想どおり茨城勢が先制。最後方から巻き返した取鳥に合わせて吉田が番手発進。さらに新山が大外を踏み上げて、吉田との壮絶なデッドヒートを制した。
「前を取って、全部は引かないつもりでした。中団をすんなり取れたし、落ち着いて走れました。取鳥がいい勢いで来て、間が空いてしまったのは計算外でしたね。入られたらきつかったけど、取鳥がそのまま行ってくれた。あれで吉田も動いて脚を使ってからの勝負になったので。吉田にチラチラ見られていて、どれだけ余裕があるのかと思ったんですが、何とか優勝できて良かったです」
卒業記念レースに続き、またも大舞台で勝負強さを見せた新山。今後は特別戦線での活躍が期待される。
「これからの目標はヤンググランプリもそうなんですが、点数を上げていってG1に出たいですね。まずは全プロで寬仁親王牌の権利をしっかり取って、G1の準決勝に乗るのが今年の目標です」
人気を集めた吉田は惜しくも準V。同期のライバルに敗れた悔しさをバネに進化を続ける。
「打鐘で新山さんが4番手だったので、ヤバイと思いました。流れのなかで番手から出る形になった。これも経験ですね。また一緒に戦うステージがあると思うので、次は負けないように頑張ります」
新山マークの堀内が3着。
「新山君に付いていっただけですね。最後は内か外か迷いました。その判断が遅れたのが敗因ですね。でも、吉田君と新山君のレベルが違っていた。2人に追いつけるように、できることをやっていきます」
取鳥は単騎でも果敢に仕掛けて見せ場を作った。
「新山さんも4番手で動かないだろうし、前がだいぶ流していたので、思い切って行きました。出切れなかったのは力不足ですね。また次頑張ります」と特進が懸かる次走に気持ちを切り替える。
打鐘先行の鈴木はシンガリ負け。完敗を認める。
「ダメでした。悔しいけど、僕に力があれば(茨城で)決められたと思う。やることをやって負けたので、力不足です」
小川は終始、後方のまま。
「単騎なのに緊張してしまった。打鐘で付いていけなかったし、脚力が足りなかったですね」