長走路を舞台に火花散るバトル
G戦線を賑わせている精鋭が各地区にそろい勝ち上がり次第では勢力図が変わってくる可能性もあるが、主役には総合力高い村上義弘を推す。近畿の総力を結集した先の名古屋ダービーでは、三谷竜生、川村晃司の3番手から追い込みV。7年連続10回目のグランプリ出場を早々と決めた。竹内雄作、新田祐大、さらに岩津裕介ら別線の反撃を許さなかった決勝での縦横無尽の大立ち回りは、すでに語り草になっている。ダービーの二次予選以降、続く松山記念を含めて7戦連続でラインの先頭での戦いから遠ざかってはいるものの、体に染み付いた自力での戦いにも不安はない。ただ、今シリーズは佐川翔吾、山本伸一と、先行で力をつけてきた選手が同地区にいる。それだけに番手での立ち回りが濃厚。後輩の頑張りを肌で感じ取りながら、V獲りへとまい進する。
武田豊樹、神山雄一郎のSS2人が関東勢をリードする。和歌山記念の落車で今期幕を開けた武田は、その後もリズムに乗れていない。2つのG1を含めて3月の玉野記念まで5場所を消化して、今期はいまだ未勝利の状態が続いている。しかしながら、直近の玉野記念では着で2連対。今期初の決勝進出と復調の気配は見せている。徐々に本来のすご味のある走りを取り戻して、別線へプレッシャーを与えよう。静岡で通算99回目の記念優勝を飾り、自身の持つ記念優勝最年長記録を更新した神山。4月7日に48歳を迎えるが、飽くなき向上心と競輪愛で衰え知らず。数多の連係実績を誇る武田とのタッグから、メモリアルの記念100Vも十分だろう。
大宮、高松と記念連覇で最高のスタートを切り完全復活を印象づけた深谷知広だったが、全日本選抜では着の大乱調。心配された次の名古屋ダービーでは未勝利ながら、一昨年の寬仁親王牌以来のG1優出。竹内に委ねた決勝では共倒れも、浅井康太、金子貴志とワンツーを飾った特選、準決ではパワフルな先行が光っていた。が、続く平塚F1を着。なかなか波に乗れていないのが現状だ。12年に東西王座を制した好相性の当所で、乱高下に歯止めをかけたい。
地元四国勢の浮沈の鍵は、原田研太朗が握っている。昨年は3度のビッグ優出と中四国を代表する機動型へと成長を遂げた。直近の松山記念着でも平原康多、浅井らを相手に互角の勝負を演じていた。原田次第では地元勢の浮上がある。
90期代の選手が力を合わせる北日本勢も軽視はできない。小松崎大地の逃げを飯野祐太が交わしてのワンツー実績もある2人の後ろを、差し脚鋭い和田圭が固めれば強力なラインが形成される。
SS班の園田匠も混戦に強い松岡貴久らとの連係から虎視眈々。