岡村潤が涙の初V
武田に三谷、そして記念初優出の新山が激突した注目のレース。雨中の激戦を制したのは岡村だった。赤板1センターから内に切り込むと、先行態勢に入った新山後位で番手勝負に出る。根本を飛ばして番手を奪うと、粘る新山をとらえて嬉しい記念初優勝を飾った。
「今日はイメージしているとおり。新山君が駆けるか、三谷君が駆けるかどっちかだったけど、新山君が駆けたら飛びつこう。それでまくられたら仕方ないと思ってました」
これが記念初優勝。「泣いちゃうのかと思ったけど、今のところ実感はないですね」とレース後は笑顔を見せていたが、表彰式で先月亡くなった栗原厚司のことを思い出すと、涙をこらえることはできなかった。
「今回は栗原さんも一緒の開催だった。差せないかと思ったけど、ゴール前で押してくれたのは厚司さんだと思う」
3年前から青島宗仁と練習をはじめ、昨年からのギア規制に合わせて体重をしぼった。半年前からはナガサワにフレームを換えるなど、全てがかみ合っての記念初優勝だ。「前でも頑張ってれば認めてくれると思うので」と話す岡村の快進撃はまだまだ続きそうだ。 2着に突っ込んだ江守は、一次予選5着で繰り上がったツキを存分に生かした。
「今日が一番体調がよかった。(中村に)早くコースに入ってくれと思ってた。最後は空いてなかったけど、落車覚悟の突っ込みでなんとか入れてよかった。これで競輪祭にも出られますね」
外を踏むと決めていた中村は江守に交わされ3着に。
「外を踏めば江守さんのコースもあると思った。自分のなかでも余裕はあった。高校の先輩と潤とワンツースリーは本当に嬉しいです」
人気の武田はまくり不発に。岡村が番手に飛びついたことで難しいレースになってしまった。
「もうちょっとだったですね。(根本が)浮いてたし、併走で行きづらかった。まくり切りたかったけど、自力で一戦走れた。また頑張ります」
打鐘前先行の新山も初優出、初優勝へ懸命にモガいたが、あと一歩優勝へは届かなかった。
「全然ダメでした。もうあんなチャンスないですね。押し切れれば自信になると思ったけどダメでした」