梶田舞が涙の大会初V
「言葉が出ない…」。目に涙を浮かべながら、梶田は会見場の中央で記者団と向き合う。静寂のなか気持ちを落ち着かせると、1つ1つ記憶を思い起こすようにレースを振り返る。
「スタートを取って、皆の動きを見て自力自在に動いて…。3コーナーまくりよりも2センター勝負と思って。動きを見極めて、突き抜けるように走りました。決勝のメンバーは体が大きいし、パワーもある選手だけど、それに勝てるように自分も練習を積んで走ったつもりです」
ガールズ特別レースの優勝は一昨年のガールズグランプリ以来、約1年半ぶり。この間、怪我や体調不良に苦んだだけに、感慨にひたり幾たびも目を潤ませる。
「去年落車、落車で成績はまとめたけど体がどんどん悪くなって。年明けにそのツケが回って不安もあって…。でも、自分を見つめ直して一歩一歩練習してきたつもりです」
賞金を大幅に上積みし、グランプリも見えてきた。ここ一番での勝負強さが最大の持ち味。目指すは年末、2度目の頂点だ。
「絶対にグランプリに出ることが目標。そこに立たないと日本一になれないので。そこを目指してまた一歩一歩頑張りたいです」
児玉は絶好のチャンスをモノにできず準V。
「奥井さんの番手に入れたのはよかったけど、そこで脚を休められなくて。付いていてすごいスピードで馬力もすごくて。だから、まくってもトロトロと行った感じになってしまいました。休めたらもっと楽にいけたと思うけど」
中川も児玉追走から優勝も見えたが…。
「1番良い展開でした。位置を取ってまではよかったんですけどね。最後に欲が出たというか。連日リラックスしていけたけど、今日は行けるかと思ったら力が入ってしまいました。でも今回は自信になったし、こういう場に慣れてまた次を頑張りたいです」
「自分のレースをしてこれだから力がない」と話すのは逃げた奥井。「後ろに児玉さんがいてどう出るかと思ってたけど、自分が先に出たいと思ってたし早め行きました。今までで1番良いスピードでまくられました。児玉さんの強さを肌で感じました。合わせられる感じではなかったし。これからは打倒児玉ですね」。
地元の尾崎は見せ場なく、「全てが中途半端。打鐘のところでインを斬ろうと思ったけどそれも。力を出し切れなかった」とガックリ。