勢いを増す中部勢
夏の風物詩「サマーナイトフェスティバル」(G2)が、今年は川崎競輪場を舞台に7月16日~18日の日程で行われる。特別競輪の一部日程変更により今年度から1カ月早まり、以前の7月開催に戻った。今年で12回目を迎える当大会。激戦を勝ち抜き、第12代「夜王」の座に就くのは果たして誰か。
高松宮記念杯の決勝は浅井康太、吉田敏洋、金子貴志の3名で挑んだが、ラインからの優勝者は出せず。しかし、俄然中部の勢いと結束力は高まるばかり。浅井は宮杯が今年初のG1優出となったが、その実力は既に誰もが認めるところ。3着表彰台入りを機に反撃態勢に入るだろう。吉田もホームバンクの特別2戦で悲願のG1Vならずも、手応えをつかみ後半戦に向けて「ヤル気が出てきたのは確か」と、さらに気持ちが高まっている。この3選手に怪童・深谷知広、先行日本一の竹内雄作、ヤンググランプリ2014、昨年当大会を制してスターダムにのし上がった近藤龍徳と中部はタレントぞろい。後半の特別戦線も他地区を威圧する。
関東も層が厚く、平原康多、武田豊樹、神山雄一郎を中心に、木暮安由、芦澤大輔が強力援護する。さらにスーパールーキーの吉田拓矢と鈴木竜士に、吉澤純平、杉森輝大と新戦力が続々と台頭しており、ベテラン勢にとっては心強い限り。吉田は宮杯では準決勝に進出。初日は丸2周の突っ張り先行でワンツーを決めるなど、初のG1で大活躍した。鈴木は今回がビッグ初参戦。同期の吉田に刺激を受け「今度は自分が」と意気込む。
北日本ももちろん健在だ。新田祐大は宮杯を制し、改めて輪界ナンバーワンの脚力を誇示。「ハードスケジュールをこなしてグランプリを目指す」と今後も手は緩めぬ構え。昨年は惜しくも準Vに終わっているだけに、狙うは表彰台の真ん中だ。山崎芳仁は宮杯の決勝で新田に離れており、今回は呼吸を合わせたい。早坂秀悟、小松崎大地の強力機動型に、佐藤慎太郎、菊地圭尚も上位を見据える。
あっせん停止から戻ってきた稲垣裕之は、1カ月の遅れを取り戻すべく初日から全開モードだ。近畿勢をまとめるのはもちろん村上義弘。そして、稲川翔、村上博幸のタイトルホルダーに、若武者の三谷竜生、古性優作とこちらも濃い面子。
宮杯でG1初優出し波に乗る郡司浩平も注目。原田研太朗もまくりのスピードは新田に迫る勢いだ。九州は園田匠をはじめ、レース巧者の松岡貴久、力を付けた山田英明と、こちらも見逃せない。