相手は吉田に深谷、そして地元の浅井。それでも古性は、輪界の猛者達を相手に冷静に立ち回った。最終バックから深谷のラインを追うと、２センターからまくりに出る。最後は浅井とのマッチレースを制し、２度目の記念制覇を手にした。
　「かぶる前にいければよかったですけど、ホームでかぶってしまって。でも、そのあとは冷静に。自分が踏んだ時に、浅井さんも踏んでいったのが見えて。きついなと思ったけど、自転車が伸びてくれました。前回（ウィナーズカップ）が不甲斐ない競走で。ストレスが溜まっていたけど、優勝できて良かったです」
　今シリーズは初日、２日目と番手で大立ち回り。自力となった準決では、武田豊をキメて吉田の番手を奪い差し切りと持ち前の自在性を存分に発揮した。
　「初日に中井（太祐）さん、２日目に（三谷）竜生さんが気合の入った競走をしてくれて。それで、自分も気合が入って、３日目、４日目につなげられたと思います」
　２度目の記念優勝に満足することなく、さらなる高みへ。己の目標に向けて、今後も結果を追及する。
　「（記念を初優勝した）岸和田の時もそうですけど、先輩に助けてもらって、２回優勝できました。もっと脚を付けて、日本一の自力自在選手になりたいです。でも、Ｇ１で活躍しないとダメなので。また脚を付けて頑張りたいです」
　４大会ぶりの地元記念Ｖを狙った浅井だが、僅かに及ばす。素直に完敗を認めた。
　「車間を切るタイミングも、間合いもバッチリでした。早めに抜きにもいったし。今回はあっち（古性）がバツグンだったんでしょう。強かったです」
　吉田との力比べを制した深谷だったが、直線で失速して５着に終わった。
　「前に吉田君に合わされているので、まずは出切ることだけを考えて。吉田君が強くて、出切るのでいっぱいになってしまいました」
　積極的に仕掛けた吉田だったが、力及ばずシンガリ負け。
　「ちょっと力の差がありましたね。いつくるかなって構えていてきつかったです。出し切った結果なので、しかたないですね。もっと練習して力を付けたいと思います」