• 伊東競輪場第13回サマーナイトフェスティバル7/15〜7/17

後記 GⅡ 伊東 07/15

新田祐が夜王を初襲名

新田祐大

新田祐大

 7新田選手が、宮杯に続いてビッグを連覇。写真撮影では誇らしげにガッツポーズ。 2着にも2渡邉選手が続き、福島ワンツー決着。ゴール後は2人で喜びを分かち合う。

 新田の勢いは、止まることを知らない。高松宮記念杯では、1年ぶりにG1を制覇。続く当大会でも、持ち味を存分に発揮してビッグ連覇を達成。初めて夜王の座にも輝いた。
 「初日どうなることかと思いましたが、何とか。準決勝もいいタイムだったので。決勝もまた同じ展開でも、ワンツーだけは決めたいなって気持ちで走りました。宮杯を優勝した感覚が特になくて。すぐ遠征、遠征でこの場所に来たので。なんか実感なかったんですけど。明日は(ナショナルの)練習を休めるということを聞いたので。今夜はその優勝を味わえる時間なのかなと思います」
 激戦のファイナルは、ダービー王・三谷が、赤板から風を切る展開に。6番手となった新田はハイピッチで逃げる三谷に対し、「タイミングがきたから行きました」と最終ホームでスパート。強烈なまくりで前団を飲み込むと、渡邉の追撃も振り切った。
 「スタートは前の方で攻めていきたいなっていうのはあったんですけど。そのなかで、他の動きは絶対にあるので。その動き次第でレースを考えようかなと。まあ、行き当たりばったりと言っては変なんですけど(笑)。走ってみて考えようかなと思いました。でも、決勝は竜生の仕掛けが全てだったと思います」
 1カ月後には、地元の平でオールスターが控えている。「次のオールスターでまたこういう形でワンツーを決められるように頑張りたいです」と力走を誓った。上昇気流に乗った新田が、どこまで飛翔するか楽しみだ。
 準決勝で新田のまくりを抜いた渡邉だが、決勝は交わせなかった。
 「前のスピードがちょっと緩んだところで行けるのが新田の強さ。でも、あの先行を6番手からまくるんだからすごい。付いていくことはできるけど、追走の技術をもう少し磨きたい」
 新田のスピードに対応できなかった村上は3着まで。
 「竜生のかかりはよかった。誰も来れないと思ったけど、新田が見えたら一瞬だった。自分が車間を切るタイミングも悪かったかもしれない。ただスピードが違った」
 後方8番手からまくった深谷は4着に入るのが精いっぱいだった。
 「全部が失敗だった。(新田が)強すぎました。スピードが違ったし、ちょっと無理でしたね。ベストコンディションでも3着までだったと思います」
 中団を確保した原田だが、仕掛けられず8着。見せ場をメイクできなかった。
 「三谷さんはかかっていましたね。(近畿勢を)追いかけるのでいっぱいになってしまいました。でも、決勝に乗れたし、これが良いきっかけになれば」
 ナイター唯一のビッグレースはシリーズ3日間を通して大盛況。伊東の夜を男女108名のトップスターが彩った。原田研は予選で4番手からまくって快勝。準決、決勝も前々に攻めるなど、これまでとは違ったレーススタイルを披露した。
 「いつもは7、8番手で、そのほうが持ち味が出たりするんですけど、今回はすべて中団以内が取れました。こういう普段、やらないレースをしてみてもいいかもしれませんね」
 岡村潤は地元の大舞台で躍動。ビッグ初優出を果たした。
 「最近は大きな舞台でも平常心で戦えるようになりました。決勝は近畿の後ろを固めていたわけではないので、村上(義弘)さんが持っていった時にインから行ければよかったんですけどね。バックからの脚が足りなかった。これからどう練習すればいいか、明確に見えてきたし、もうひと段階、力をつけて、またこのステージで走りたい」
 ガールズケイリンフェスティバルはハイレベルな戦いの連続だった。そのなかで完全優勝を飾った小林優、連勝で勝ち上がった高木真、児玉碧の3人は他の選手達と比較して頭ひとつ抜け出した印象。3強の存在感が際立っていた。高木は初日の上がりが9秒6。男子のトップ選手にも引けを取らない破格のタイムを叩き出した。
 「こういう舞台を走るのは楽しいです。練習もしっかりしてきたので、その成果は出せたと思います。自信を持って仕掛けることができました。決勝を走って今の自分の力が分かりました。主導権を取って、ビッグレースを獲るのが目標なので、もっと力をつけます」
 尾崎睦は直前の松戸の決勝で落車。状態が心配されたが、連日、強気に攻めた。
 「けがは腰の打撲だったんですけど、針をやってもらったり、あの手この手でケアをしてきたので、問題なかったです。決勝は悔しいけど、思い切り行けたのはよかった。あれで出切れないところが、まだまだ力不足ですね。でも、こういうレースを続けていきます」

Race Playback

レース展開3
 最終ホームから仕掛けた7新田選手が、上がり9秒1の好ラップで前団をひと飲みした。

レース経過

誘導員 : 望月永悟

 浅井がスタートを取り、初手は深谷―浅井、三谷―村上、岡村、新田―渡邉、原田―園田の順で並ぶ。
 青板周回の1角から原田が上昇していくと深谷はゆっくりと車を下げ、誘導の後ろが入れ替わる。新田が原田のラインに続き、深谷はさらに車を下げていくなか、三谷が赤板を目掛けて一気にカマして主導権。単騎の岡村は近畿勢を追っていく。三谷がハイペースを保ったまま打鐘を通過し、立ち遅れた原田は必死に前を追っていく。原田が車間を詰めていくところを、その後ろの新田が最終ホームから反撃開始。村上はすぐにブロックに行くも、新田の勢いは止まらない。新田は最終バックで三谷を抜き去ると、決勝は渡邉を振り切り、初の夜王に輝いた。渡邉が準V、村上が3着。深谷は8番手からまくり上げたが、前は遠く4着が精いっぱいだった。

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