総合力高い平原康
高い総合力で優勝争いをリードするのは平原康多だ。今年は優勝した2月全日本選抜をはじめ、ここまで全てのビッグレースで決勝に進出している。6月高松宮記念杯でG1初優出を決めた吉田拓矢ら若手機動型も育っているし、もちろん自力も健在。大会初制覇へ好条件はそろっている。武田豊樹は過去に2度優勝と今大会は相性がいい。今年は安定した成績を残し、調子のバロメーターといっていい自力の決まり手も増えてきた。この関東ツートップに木暮安由、諸橋愛らで結束してシリーズを席巻する。
高松宮記念杯を連覇した新田祐大にとって伊東は「スピードが出やすい」と好印象のバンク。3年前には共同通信社杯をオール連対で制している。渡邉一成もダッシュ、スピードは健在。今年は新田との連係にバリエーションを持たせ、ラインとしての完成度をさらに高めようとしている。山崎芳仁や菊地圭尚とタレントぞろいの地区だけに、新田、渡邉のコンビネーションが機能すれば他地区にとっても脅威だ。
前年度覇者の浅井康太も意地を見せたい。前期は優勝なしで終えてしまったが、全日本選抜、5月ダービーで決勝に勝ち上がるなど調子、成績は高いレベルで安定している。全プロのケイリンを制し、台湾カップのスプリントではブフリを破って優勝するなど競技の活躍が目覚ましい深谷知広は本業の競輪でも結果を残したいところ。試行錯誤しているものが形になれば、高いポテンシャルを発揮できるはずだ。浅井、深谷に呼応して金子貴志も上位進出を目指す。
近畿勢も他地区に負けないメンバーがそろっているが、不安材料も多い。三谷竜生は5月全プロ記念、高松宮記念杯と連続落車。全プロ記念の落車から6月富山記念で復帰した村上義弘も、まだ万全ではないだろう。それでも稲垣裕之、脇本雄太に古性優作と争覇級の選手は枚挙にいとまがなく、個々の力を考えれば優勝争いをリードできるだけの勢力だ。
質量豊富な南関勢は躍進著しい郡司浩平を中心に他地区のライバルたちを迎え撃つ。中川誠一郎、山田英明を擁する九州勢は数的不利をどう克服するか。岩津裕介も条件は同じだ。