三谷竜が三度の記念V
ダービー王の三谷にとっては、3場所前の高松で遅すぎる記念初V。続く全日本選抜のあとに地元記念を制覇し勢いに乗って、今年3度目の記念優勝を飾った。
「自分のやることは変わらない。それで結果が出ているのはいい」と、泰然自若。赤板手前で取鳥を押さえる。三谷ラインに九州コンビが続き、山中も叩く気配はない。三谷が別線にプレッシャーを与えて、レースの流れを支配した。
「(取鳥が)前を取ったので、早めに押さえた。あとはほかの人の動きを見ていた。柏野さんが(取鳥と)空いてたけど、力勝負と思ってたんで引きました」
取鳥が巻き返すと遅れ気味の柏野、堤まで受けて4番手。最終2角過ぎに三谷がまくり上げた。
「あの位置で見てしまって、後ろから(別線に)来られたら面白くない。(準決の)失敗もあったんでしっかり行きました」
柏野のけん制を乗り越えると、取鳥に直線の入り口で並んで、そのまま後続を突き放して優勝。
「レースが小さくなると結果も出なくなってくる。駆けるつもりもあったんで態勢が整っていた」
ダービー制覇後の昨年7月に落車に見舞われろっ骨を骨折。復調にも手間取り、優勝から遠ざかっていた。それでも攻める気持ちを忘れず、自身のスケールを縮小することなくここまでたどりついた。
「(ルーキーチャンピオンで)南(潤)があんだけいいレースしているんで、自分も若手の刺激になるように。G1、2でもしっかり結果を残せるようにしたい」
三谷も昨年9月に三十路に突入。若手の心を揺さぶる走りで、近畿唯一のS級S班が重責を全うする。
打鐘4角で主導権を奪った地元の取鳥は、「一瞬、夢をみました」と、逃げ切りを図るも準V。
「あんだけ柏野さんにやってもらったけど、まだまだですね」
三谷マークの志智は、柏野に大きくもってこられて3着を悔やむ。
「引っ掛からないように避けたけど、それ以上に柏野君が来た」
取鳥の踏み出しに遅れた柏野は、追いつくも脚力をロス。課題をあげて反省する。
「自分の得意パターンじゃないけど弱いっすね。現状であの(取鳥の)ダッシュにピッタリ付いていくっていうのは…」